投資有価証券
投資有価証券とは
投資有価証券の定義・意味など
投資有価証券(とうしゆうかしょうけん)とは、長期保有を目的とする有価証券、すなわち、売買目的有価証券と1年内に満期の到来する有価証券以外の有価証券を処理するための資産勘定(固定資産)をいう。
法人・個人の別
法人・個人
投資有価証券は法人・個人で使用される勘定科目である。
投資有価証券の範囲・具体例
投資有価証券の範囲
投資有価証券は、次の3つの種類に分類される。
- 満期保有目的債券
- 関係会社株式(子会社株式・関連会社株式など)
- その他有価証券(親会社株式・取引先の株式・持ち合い株式など)
投資有価証券の具体例
長期保有目的の株式
株式を購入して出資した場合は投資有価証券勘定で処理をする。
なお、子会社株式・関連会社株式であれば、決算書の表示上は関係会社株式として表示される。
また、親会社株式であれば、決算書の表示上は親会社株式として表示される。
株式以外の信用金庫・信用組合・協同組合などへの出資の場合は、出資金勘定で処理をする。
長期保有目的の社債等
社債などの債券を長期保有目的で取得した場合も、投資有価証券として処理する。
新株予約権
新株予約権を取得した場合も、投資有価証券勘定を用いるのが一般的である。
他の勘定科目との関係
有価証券
有価証券は、その保有目的により次の4つの種類に分類される(「金融商品に関する会計基準」)。
- 売買目的有価証券
- 満期保有目的債券
- 子会社株式・関連会社株式
- その他有価証券
このうち、短期売買目的の有価証券は有価証券(流動資産)で処理するのに対し、長期保有目的のものは投資有価証券で処理する。
投資有価証券の決算等における位置づけ等
投資有価証券の財務諸表における区分表示と表示科目
投資有価証券は、長期保有を目的とする資産であるため、固定資産の区分に属し、その中でも「投資その他の資産」として表示区分され、保有する有価証券の内容に応じて表示される。
貸借対照表 > 資産 > 固定資産 > 投資その他の資産 > …
区分表示
投資その他の資産
投資有価証券は投資その他の資産に属する。
企業会計原則注解
[注16] 流動資産又は流動負債と固定資産又は固定負債とを区別する基準について
…
所有有価証券のうち、…、証券市場において流通しないもの若しくは他の企業を支配する等の目的で長期的に所有するものは、投資その他の資産に属するものとする。
財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則
(投資その他の資産の範囲)
第三十一条 次に掲げる資産は、投資その他の資産に属するものとする。
一 関係会社株式(売買目的有価証券に該当する株式及び親会社株式を除く。以下同じ。)その他流動資産に属しない有価証券
…
表示科目
投資有価証券・関係会社株式・親会社株式
貸借対照表上は、保有する有価証券の内容に応じて、次のように区分して表示する。
すなわち、保有する有価証券の内容が
- 一般の長期保有有価証券 → 投資有価証券
- 子会社株式・関連会社株式 → 関係会社株式
- 親会社株式 → 親会社株式
として、表示する。
一般の長期保有有価証券については勘定科目名と表示科目名が一致する。
ただし、子会社株式・関連会社株式および親会社株式については、決算書上は別の表示科目で区分表示されることになる。
関係会社の株式(子会社株式・関連会社株式)については、会社計算規則で貸借対照表上は関係会社株式という表示科目で別に表示するものとされているからである。
会社計算規則
(関係会社株式等の表示)
第八十二条 関係会社の株式又は出資金は、関係会社株式又は関係会社出資金の項目をもって別に表示しなければならない。
また、同様に、親会社株式についても、財務諸表等規則で親会社株式という表示科目で別に表示するものとされている。
財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則
(投資その他の資産の区分表示)
…
第三十二条の二 親会社株式のうち第十八条に規定するもの以外のものは、投資その他の資産に親会社株式の科目をもつて別に掲記しなければならない。ただし、その金額が僅少である場合には、注記によることができる。
投資有価証券の会計・簿記上の取り扱い
会計処理
取得時
有価証券を取得した場合は、取得価額(購入代価+付随費用)で計上する。
期末(決算時)
有価証券の評価基準
固定資産としての有価証券は、決算時において貸借対照表でどう評価すべきか、という資産の評価基準の問題が発生する。
保有する有価証券の内容に応じて、次の基準で評価する。
満期保有目的債券
償却原価法により評価する(原則として時価評価は行わない)。
子会社株式・関連会社株式
子会社株式・関連会社株式(関係会社株式)については、その会社を支配したり、影響力を行使したりすることが目的として保有されるため、原則として、時価評価は不要で、取得価額をもって評価される(原価法)。
その他有価証券
時価のあるものは時価で評価し、評価差額は純資産の部に計上する(その他有価証券評価差額金)。
時価のないものは取得原価で評価する。
売却時
売却時には、帳簿価額との差額を売却損益として計上する。
取引の具体例と仕訳
取得時

新株予約権を取得した。

| 投資有価証券 | ✕✕✕✕ | 普通預金 | ✕✕✕✕ |
期末評価(時価評価)

期末において時価が上昇した。

| 投資有価証券 | ✕✕✕✕ | 有価証券評価益 | ✕✕✕✕ |
売却時

保有していた投資有価証券を売却した。

| 普通預金 | ✕✕✕✕ | 投資有価証券 | ✕✕✕✕ |
投資有価証券の税法上の取り扱い
消費税の課税・非課税・免税・不課税(対象外)の区分
有価証券の取得
非課税取引
有価証券の取得は対価性のある資産の譲渡に該当するが、消費税法上は非課税取引となる。
有価証券の譲渡
非課税取引
有価証券の譲渡は、消費税法上、非課税取引とされる。
売買手数料
課税取引
証券会社に支払う売買手数料は役務提供の対価であるため、課税仕入となる。
配当金・利息
不課税取引(課税対象外)
株式の配当金や債券の利息は資産の譲渡の対価ではないため、不課税取引となる。
執筆者:ケーソルーション(2006年より本サイト運営)
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