固定資産除却損
固定資産除却損とは
固定資産除却損の定義・意味など
固定資産除却損(こていしさんじょきゃくそん)とは、不要となったり、耐用年数が到来した有形固定資産を除却することにより生じる損失を管理するための費用勘定(特別損失)をいう。
法人・個人の別
法人・個人
固定資産除却損は法人・個人で使用される勘定科目である。
固定資産除却損の範囲・具体例
解体費用(取壊費用・処分費用・除却手数料)
固定資産を除却した際の解体費用(取壊費用・処分費用・除却手数料)も、経常的に発生する費用ではないので、原則として、特別損失として固定資産除却損に含めて処理をする。
無形固定資産・投資目的有価証券等
無形固定資産、投資目的有価証券等は一般には含まれない。
固定資産除却損の目的・役割・意義など
固定資産除却損は、確定申告時に固定資産台帳に残存価額が残っている固定資産で不要なものは除却しておくという意味合いがある。
固定資産除却損の決算等における位置づけ等
固定資産除却損の財務諸表における区分表示と表示科目
損益計算書 > 特別損益の部 > 特別損失 > 固定資産除却損
固定資産除却損の会計・簿記・経理上の取り扱い
会計処理方法
使用する勘定科目・記帳の仕方等
①除却時の有形固定資産の帳簿価額(=簿価)
除却の会計処理にあたっては、まず除却時の有形固定資産の帳簿価額(=簿価)を明らかにしておく必要がある。
除却時の有形固定資産の帳簿価額は当該有形固定資産の取得価額から除却日までの減価償却費の合計額を控除した金額となる。
除却時の有形固定資産の帳簿価額 = 取得価額 ー 減価償却費の合計額
したがって、期中または期末に有形固定資産を除却したときには、期首から除却日までの減価償却費も月割計算※して計上する必要がある。
※1カ月未満の端数は1カ月とする(つまり、1カ月未満は切り上げる)。
ただし、その具体的な会計処理は直接法により記帳している場合と間接法により記帳している場合とで異なる。
直接法による記帳の場合
直接法の場合は、減価償却費は固定資産勘定から直接減少されているので、除却時の帳簿価額をそのまま当該有形固定資産勘定の貸方に記帳する。
間接法による記帳の場合
間接法の場合は、除却した有形固定資産の取得価額を当該有形固定資産勘定の貸方に記帳するとともに、除却した有形固定資産に対する期首の減価償却累計額と月割計算した除却時までの減価償却費をそれぞれ減価償却累計額勘定と減価償却費勘定の借方に記帳する。
②損失額の計上
次に、除却による損失額を計上するが、除却した有形固定資産に評価があるかどうかによりその会計処理が異なる。
除却した有形固定資産に評価額がある場合
除却した有形固定資産に評価額がある場合は、まず、除却時の有形固定資産の評価額を貯蔵品勘定(資産)※の借方に記帳して資産計上する。
※価値のあるモノではあるが使用してないので、貯蔵品勘定で処理をする。
そして、この場合、損失額は除却時の有形固定資産の帳簿価額(=簿価)と評価額との差額となるので、この金額を固定資産除却損勘定※の借方に記帳して費用処理をする。
※固定資産廃棄損勘定を使用する場合もある。
損失額 = 除却時の有形固定資産の帳簿価額 - 評価額(処分見込み価額)
除却した有形固定資産に評価額がない場合
除却した有形固定資産に評価額がない場合、損失額は除却時の有形固定資産の帳簿価額となるので、この金額を固定資産除却損勘定の借方に記帳して費用処理をする。
損失額 = 除却時の有形固定資産の帳簿価額
固定資産除却損の管理
会計資料(証憑・証拠)
有形固定資産を除却した場合、解体費用がかかるものは除却したことの証明ができるが、費用がかからないものはその証明ができない。
したがって、固定資産台帳への記録や写真などの方法により、その証明ができるようにしておく必要がある。
参考:岩崎恵利子 『パッと引いて仕訳がわかる 逆引き勘定科目事典』 シーアンドアール研究所、2009年、195項。
取引の具体例と仕訳の仕方
除却した有形固定資産に評価額がある場合
間接法で記帳している場合
| 借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 貯蔵品 |
××××
|
車両運搬具 |
××××
|
| 減価償却累計額 |
××××
|
||
| 減価償却費 |
××××
|
||
| 固定資産除却損 |
××××
|
除却した有形固定資産に評価額がない場合
間接法で記帳している場合
| 借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 減価償却累計額 |
××××
|
車両運搬具 |
××××
|
| 減価償却費 |
××××
|
||
| 固定資産除却損 |
××××
|
直説法で記帳している場合

簿価1万円のパソコンを廃棄処分にした。なお、当該パソコンに評価額はない。

| 固定資産除却損 | 10,000 | 工具器具備品 | 10,000 |
固定資産除却損の税務・税法・税制上の取り扱い
消費税の課税・非課税・免税・不課税(対象外)の区分
不課税取引(課税対象外)
消費税法上、固定資産除却損は不課税取引として消費税の課税対象外である。
執筆者:ケーソルーション(2006年より本サイト運営)
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