(ケーソルーション)簿記・勘定科目一覧ハンドブック

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租税公課―会計処理

租税公課の会計・簿記・経理上の取り扱い

会計処理方法

使用する勘定科目・記帳の仕方等
期中

(税金一般)

税金を納付したときは、租税公課勘定の借方に記帳して費用計上する。

(収入印紙)

収入印紙を購入したときは、租税公課勘定の借方に記帳して費用計上する。

(固定資産税)

納税通知書を受け取ったとき

固定資産税は、普通徴収とされている。

4~6月頃に固定資産税納税通知書が納税者に交付されるので、これにより年4回に分けて金融機関等で納付することになる。

なお、全期を前納できる市町村もある。

固定資産税の納税通知書を受け取ったときはその時点で税額が確定するので、その全額を租税公課勘定の借方に記帳して費用計上する。

なお、租税公課のなかでも固定資産税を別途管理したい場合には、固定資産税勘定を設定してもよい。

参考: 『日商簿記2級 商業簿記 スピード攻略テキスト』 DAI-X出版、2004年、174項。

しかし、他方、この時点ではまだ納付していないので、その相手科目としては未払税金(または未払金未払費用)勘定などの貸方に記帳して負債計上する。

なお、納期が翌年2月である固定資産税の第4期分についても、本年分の費用になるのが原則である。

ただし、国税庁『青色申告の決算の手引き』によれば、翌年分の費用にしても「差し支え」ないものとされている。

国税庁『平成22年分青色申告の決算の手引き』

固定資産税を納付したとき

固定資産税の各納付時期に固定資産税を納付したときは、その納付額を現金預金勘定などの貸方に記帳するとともに、未払税金勘定の借方に記帳してこれを減少させる。

期末(決算時)

消費税の計上(決算整理事項)

税込処理方式を採用している場合、決算時には、消費税等の仮払額と消費税等の仮受額を相殺し、消費税等の仮払額が消費税等の仮受額より小さいときは、その差額は納付すべき消費税として未払消費税等勘定の貸方に記帳して負債計上するとともに、租税公課勘定の借方に記帳して費用計上する(消費税を費用として認識する)。

法人税の確定申告を念頭においた法人税等の会計処理の方法

会計上、会社が納付する税金は、国税または地方税を問わず、租税公課勘定(費用勘定)などを使用して、費用として処理をすることができる。

しかし、法人税法上、法人税と法人住民税は、企業の利益(所得)に課される税金という性格を有しているので、損金不算入の税金とされている。

事業税は損金算入の税金であるが、新会計基準で法人税、住民税と同様の処理をすることが求められている。

そこで、法人税の確定申告という出口を念頭に置くと、法人税・法人住民税・事業税の会計処理の方法としては、基本的には次の2つに大別できる。

  1. 発生主義的方法(会計上と税務上の取り扱いが一致する)…他の租税公課とは区別し法人税等勘定などを使用する(費用として処理をしない)方法
    1. 充当金取崩し
    2. 仮払経理
  2. 現金主義的方法(会計上と税務上の取り扱いが異なる)…他の租税公課とは区別せずに租税公課勘定などを使用する(費用として処理をする)方法
    1. 損金経理

1-1 充当金取崩しによる会計処理

中間申告・納付時や確定申告時に、未払法人税等を取り崩して納付する方法である。

    1-2 仮払経理による会計処理

    中間申告・納付時に、仮払法人税等勘定(仮払金の一種)を使用して処理をする方法である。

    2-1 損金経理による会計処理

    損金経理とは、確定した決算において費用または損失として経理することをいうが、ここでは、具体的には租税公課勘定を使用して税金の納付を処理することをいう。

    ただし、この租税公課勘定は、税金一般を処理するための勘定科目(費用勘定)である。

    しかし、税金のなかには、税法(所得税法または法人税法)上、費用にできるものと、費用にできないものがある。

    つまり、会計上と税務上の取り扱いが異なる税金があるわけである。

    この点、法人税と法人住民税は、前述したように、損金不算入の税金である。

    したがって、これを、租税公課勘定で処理をすると、損金不算入の租税公課まで損金経理をしたことになる。

    そこで、この場合は、法人税の確定申告時に、別表四で加算による申告調整をすることになる。

    費用の認識基準(計上時期・期間帰属)
    申告納税方式の税金の場合

    事業税、事業所税など申告納税方式の税金の場合は、申告書を提出した日の属する事業年度の損金とする。

    更正決定を受けたときは、決定を受けた日の属する事業年度の損金となる。

    また、当期中間申告分の事業税も、中間申告書を提出した日の属する事業年度の損金となる。

    賦課課税方式の税金の場合

    固定資産税や都市計画税など賦課課税方式の税金の場合は、賦課決定のあった日に計上する。

    ただし、納期が分割されている場合には、各納期ごとに計上することができる。

    取引の具体例と仕訳の仕方

    期中
    収入印紙

    取引

    収入印紙を現金で購入した。

    仕訳

    借方科目
    金額
    貸方科目
    金額
    租税公課 ✕✕✕✕ 現金 ✕✕✕✕

    固定資産税

    (納税通知書を受け取ったとき)

    取引

    当期にかかる固定資産税20万円の納税通知書を受け取った。

    仕訳

    借方科目
    金額
    貸方科目
    金額
    租税公課 20万 未払税金 20万

    (固定資産税を納付したとき)

    取引

    固定資産税の第1期分5万円の納付時期が到来したので、現金で納付した。

    仕訳

    借方科目
    金額
    貸方科目
    金額
    未払税金 5万 現金 5万

    期末(決算時)
    消費税の計上

    取引

    決算にあたり、消費税等の仮払額8万円と消費税等の仮受額10万円を相殺し、その差額を納付すべき消費税として計上した。なお、税込処理方式を採用している。

    仕訳

    借方科目
    金額
    貸方科目
    金額
    租税公課 2万円 未払消費税等 2万円


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