簿記・勘定科目一覧ハンドブック(ケーソルーション)

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短期貸付金

短期貸付金とは

短期貸付金の定義・意味など

短期貸付金(たんきかしつけきん)とは、決算日の翌日から起算して1年以内に回収(返済・入金)される(つまり、「短期」の)、取引先(得意先・仕入先)、親会社・子会社などの関係会社、株主・役員・従業員など企業内部の者などに対する貸付金を処理するための資産勘定をいう。

法人・個人の別

法人・個人

短期貸付金は法人・個人で使用する勘定科目である。

短期貸付金の範囲・具体例

短期貸付金として処理をするものとしては、具体的には、次のようなものがある。

  • 従業員に対する福利厚生の一環としての、マイホーム購入資金の貸し付けや葬祭・傷病の際の資金の貸し付け
  • 資金繰りに窮した下請会社に対する、運転資金の一時的な貸し付け

短期貸付金の位置づけ・体系(上位概念等)

貸付金

貸付金のような主目的たる営業取引以外の取引から発生した債権については、1年基準ワン・イヤー・ルール)が適用され、長期貸付金と短期貸付金に分類されて処理をされる。

    1. 短期貸付金…決算日の翌日から1年以内に回収期限が到来する貸付金
    2. 長期貸付金…決算日の翌日から1年を超えて回収期限が到来する貸付金

    貸倒引当金の設定の対象

    短期貸付金は金銭債権なので、貸倒引当金の設定の対象となる。

    他の勘定科目との関係

    手形貸付金

    借用証書の代わりに手形を受け取って貸し付けた場合には、他の短期貸付金と区別するために、手形貸付金勘定を用いて処理をする場合もある。

    短期貸付金として処理をしても可。ただし、受取手形勘定は不可であることに注意。

    短期貸付金の決算等における位置づけ等

    短期貸付金の財務諸表における区分表示と表示科目

    貸借対照表 > 資産 > 流動資産 > 短期貸付金

    なお、長期貸付金の場合は、「固定資産」の「投資その他の資産」の部に表示する。

    区分表示
    流動資産

    短期貸付金は1年基準(ワン・イヤー・ルール)により処理をされ、流動資産に属するものとされる。

    企業会計原則注解
    [注16] 流動資産又は流動負債と固定資産又は固定負債とを区別する基準について
     …
     貸付金、借入金、差入保証金、受入保証金、当該企業の主目的以外の取引によって発生した未収金、未払金等の債権及び債務で、貸借対照表日の翌日から起算して一年以内に入金又は支払の期限が到来するものは、流動資産又は流動負債に属するものとし、入金又は支払の期限が一年をこえて到来するものは、投資その他の資産又は固定負債に属するものとする。

    表示科目
    短期貸付金

    短期貸付金は貸借対照表上も短期貸付金として表示する。

    ただし、その金額が資産の総額の5%以下のものについてはその他流動資産として一括して記載することもできる。

    財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則
    第十九条  第十七条第一項第十三号に掲げる項目に属する資産のうち、未収収益、短期貸付金(金融手形を含む。)、株主、役員若しくは従業員に対する短期債権又はその他の資産で、その金額が資産の総額の百分の五を超えるものについては、当該資産を示す名称を付した科目をもつて掲記しなければならない。

    財務諸表の注記等

    役員、従業員、子会社などに対する貸付金については、それぞれ、役員短期貸付金従業員短期貸付金子会社短期貸付金といった別の表示科目を使用して区分表示するか、注記することになっている。

    短期貸付金の会計・簿記上の取り扱い

    会計処理

    使用する勘定科目・仕訳の仕方
    貸付けを行った場合

    決算日の翌日から起算して1年以内に返済される金銭を貸し付けた場合は、短期貸付金勘定の借方に記帳して資産計上する。

    返済された場合

    貸付金には利息が伴う。

    そして、元本と利息とは分けて会計処理をする必要がある。

    したがって、短期貸付金が返済されたときは、その返済額を短期貸付金勘定(資産)の貸方に記帳してこれを減少させるとともに、受け取った利息の額を受取利息勘定(収益)の貸方に記帳して収益計上する。

    長期貸付金と短期貸付金の区別
    返済期限が1年以内になった場合

    当初は長期貸付金であったが、期間の経過により返済期限が1年以内になった場合には、短期貸付金となり、流動資産として処理をする。

    ただし、金額が小さい場合には、そのまま長期貸付金勘定で処理をすることもできる。

    実務上はそのまま長期貸付金として表示している場合が多い。

    分割回収される場合

    長期貸付金が分割回収される場合には、理論的には、1年を越えて回収される部分と1年以内に回収される部分とに区別し、前者を長期貸付金、後者を短期貸付金として処理すべきである。

    短期貸付金の管理

    貸付金については、社内規定のほか、金銭消費貸借契約書を作成する。

    また、返済の予定と実績の管理もきちんと行う必要がある。

    取引の具体例と仕訳

    貸付けを行った場合

    取引

    取引先へ決算日の翌日から起算して1年以内に返済される金銭を貸し付けた。

    仕訳

    借方科目
    金額
    貸方科目
    金額
    短期貸付金 ✕✕✕✕ 普通預金 ✕✕✕✕

    返済された場合

    取引

    短期貸付金が利息とともに普通預金に返済された。

    仕訳

    借方科目
    金額
    貸方科目
    金額
    普通預金 ✕✕✕✕ 短期貸付金 ✕✕✕✕
    受取利息 ✕✕✕✕

    短期貸付金の税法上の取り扱い

    消費税の課税・非課税・免税・不課税(対象外)の区分

    非課税取引

    消費税法第6条において別表第一に掲げる取引については消費税を課さないとされており、同別表第一において、利子を対価とする金銭の貸付けに係る取引が非課税と定められている。

    したがって、短期貸付金は資金の貸付けにより発生する債権であり、非課税取引に該当する。

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