預り保証金(受入保証金)
預り保証金とは
預り保証金の定義・意味など
預り保証金(あずかりほしょうきん)とは、取引や賃貸借契約に際して担保として預かる保証金や敷金を処理する負債勘定をいう。
なお、預かった保証金や敷金は取引や契約の終了時に原則として全額返還するが、損害等があれば一部差し引いて返還する。
また、契約により、その一部が返済されない旨の定めがある場合もある。
預り保証金の別名・別称・通称など
受入保証金
預り保証金は受入保証金ともいう。
法人・個人の別
法人・個人
預り保証金は法人・個人で使用される勘定科目である。
預り保証金の範囲・具体例
預り保証金の範囲
有価証券
預り保証金は、金銭でなく市場性のある有価証券で代用されることもあるが、この場合も、本科目または預り金勘定で処理をする。
ただし、預り有価証券勘定などを使用して区別して管理してもよい。
預り保証金の具体例
預り保証金として処理をするものとしては、具体的には、次のようなものがある。
- 営業保証金
- 入札保証金
- 機械などをリースする際の保証金
- 不動産の敷金
預り保証金の目的・役割・意義など
債務不履行の担保
保証金や敷金は債務不履行の担保という目的で支払われる。
そのため、預かった保証金や敷金は将来取引や契約が終了した際には原則として返還するので、負債として計上する必要がある。
そのために使用されるのが負債科目である預り保証金である。
預り金のひとつであるが、特に独立した勘定科目としたものである。
また、取引先からの営業保証金の受け入れなどは1年以内に返済する必要はないため、流動負債とはできない。
そこで、預り保証金などの勘定科目を使用して、別途、固定負債として取り扱う。
預り保証金の実務
預り保証金勘定は実務でも広く用いられており、貸借対照表においても独立した科目として表示されることが一般的である。
預り保証金と関係する概念
反対概念・対概念
差入保証金
預り保証金とは反対に担保として差し入れた保証金や敷金については差入保証金勘定で処理をする。
類似概念・類義語
長期預り保証金
1年を超える場合は、特に長期預り保証金勘定で処理することもある。
預り敷金
敷金については特に預り敷金勘定を用いて負債計上することもある。
預り保証金は敷金を含む広い概念であり、実務でも代替的に使われているが、敷金だけを扱う場合は預り敷金勘定を用いた方が内容が明確になる。
預り有価証券
前述したとおり、金銭でなく市場性のある有価証券で代用された場合には、預り有価証券勘定で処理をすることもある。
預り保証金の決算等における位置づけ等
預り保証金の財務諸表における区分表示と表示科目
(短期の預り保証金)
貸借対照表 > 負債 > 流動負債 > 預り保証金
(長期の預り保証金)
貸借対照表 > 負債 > 固定負債 > 預り保証金(または長期預り保証金)
区分表示
流動負債・固定負債
預り保証金は、1年基準(ワン・イヤー・ルール)により処理をされ、短期(決算日の翌日から起算して1年以内に支払期限が到来するもの)は流動負債に属し、長期(決算日の翌日から起算して1年を超えて支払期限が到来するもの)は固定負債に属するものとして表示する。
企業会計原則注解
[注16] 流動資産又は流動負債と固定資産又は固定負債とを区別する基準について
…
貸付金、借入金、差入保証金、受入保証金、当該企業の主目的以外の取引によって発生した未収金、未払金等の債権及び債務で、貸借対照表日の翌日から起算して一年以内に入金又は支払の期限が到来するものは、流動資産又は流動負債に属するものとし、入金又は支払の期限が一年をこえて到来するものは、投資その他の資産又は固定負債に属するものとする。
表示科目
預り保証金
計算書類(貸借対照表、損益計算書など)の表示方法(表示科目、区分、注記など)について定めている会社計算規則では、負債の表示科目は固定的に列挙されているわけではなく、内容を適切に表す名称で表示することを求めている。
この点、先述したように、預り保証金は貸借対照表においても独立した科目として表示されることが実務慣行として一般的である。
会社計算規則
(負債の部)
第百四十条 …
5 負債の部の各項目は、当該項目に係る負債を示す適当な名称を付さなければならない。
預り保証金の会計・簿記上の取り扱い
会計処理
使用する勘定科目・仕訳の仕方
保証金などを預かったときは、預り保証金勘定の貸方に記帳して負債計上する。
そして、後日、預かった保証金などを返還したときは、預り保証金勘定の借方に記帳して減少させる。
保証金や敷金の一部が返還されない場合
(売上・雑収入)
保証金や敷金は取引や契約の終了時に返還されるのが原則である。
しかし、契約上その一部が返還されない(「明渡時に20%を償却する」などの償却事項が付いている)と規定されている場合もある。
この場合、返還されない部分については、売上や雑収入勘定で処理する。
取引の具体例と仕訳
保証金や敷金の全額が返還される場合(通常の場合)
保証金・敷金を預かったとき

取引を開始するにあたり営業保証金を預かった。

| 普通預金 | ✕✕✕✕ | 預り保証金 | ✕✕✕✕ |
保証金・敷金を返還したとき

取引を終了することになり預かっていた営業保証金を返還した。

| 預り保証金 | ✕✕✕✕ | 普通預金 | ✕✕✕✕ |
預り保証金の税法上の取り扱い
消費税の課税・非課税・免税・不課税(対象外)の区分
不課税取引(課税対象外)
預り保証金は負債勘定であり、受け入れた時点では資産の譲渡や役務の提供に該当しないため、不課税取引として消費税の課税対象外である。
ただし、その保証金が返還されず、賃料や違約金等に充当される場合には、その充当部分については対価性が生じるため、内容に応じて課税取引として処理する必要がある。
執筆者:ケーソルーション(2006年より本サイト運営)
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