(ケーソルーション)簿記・勘定科目一覧ハンドブック

簿記・会計で要となる勘定科目の知識を一元的・体系的に整理・解説している実務情報サイト



社債

社債とは

社債の定義・意味など

社債(しゃさい)とは、株式会社が資金調達のために発行した社債(債権で有価証券の一種)を処理する負債勘定をいう。

社債の科目属性

負債

社債は社債券を発行することにより生じる債務であるので、負債勘定である。

なお、社債は簿記上有価証券に位置づけられるが、ここでは社債を保有するのではなく、社債を発行する場面が問題となっていることに注意。

  • 社債の所有者 → 有価証券(資産)
  • 社債の発行者 → 社債勘定(負債)

法人・個人の別

法人

社債は法人特有の勘定科目である。

社債に関する会計基準と制度会計

会計基準
金融商品に関する会計基準

「金融商品に関する会計基準」(企業会計基準第10号)が社債の評価基準その他の会計処理について規定している。

繰延資産の会計処理に関する当面の取扱い

「繰延資産の会計処理に関する当面の取扱い」(実務対応報告第19号)が社債発行費の会計処理について規定している。

制度会計
会社法会計

会社計算規則が社債の評価基準について規定している。

社債の決算等における位置づけ等

社債の財務諸表における区分表示と表示科目

貸借対照表 > 負債 > 固定負債 > 社債

または

貸借対照表 > 負債 > 流動負債 > 1年以内償還社債

区分表示
固定負債または流動負債

社債は、1年基準(ワン・イヤー・ルール)が適用される。

すなわち、社債は償還期限までに1年超あるものとして発行されるので、固定負債に属するものとして表示するが、償還期限が決算日の翌日から起算して1年以内になったものは、1年以内償還社債勘定を用いて流動負債に振り替える。

企業会計原則
(貸借対照表科目の分類)
四 資産、負債及び資本の各科目は、一定の基準に従って明瞭に分類しなければならない。

(二)負 債
負債は流動負債に属する負債と固定負債に属する負債とに区別しなければならない。…
B 社債、長期借入金等の長期債務は、固定負債に属するものとする。

企業会計原則注解
[注16] 流動資産又は流動負債と固定資産又は固定負債とを区別する基準について
 …
 貸付金、借入金、差入保証金、受入保証金、当該企業の主目的以外の取引によって発生した未収金、未払金等の債権及び債務で、貸借対照表日の翌日から起算して一年以内に入金又は支払の期限が到来するものは、流動資産又は流動負債に属するものとし、入金又は支払の期限が一年をこえて到来するものは、投資その他の資産又は固定負債に属するものとする。

社債の会計・簿記・経理上の取り扱い

会計処理方法

使用する勘定科目・記帳の仕方等
期中

社債の発行

社債を発行したときは、(額面金額ではなく)発行価額を社債勘定(負債)の貸方に記帳して負債に計上する。

また、広告費・手数料・印刷費・登録免許税など社債発行に要した諸費用については、原則として、支出時に社債発行費勘定(費用)を用いて費用計上したうえ、営業外費用として処理する。

ただし、同じく社債発行費勘定(資産)を用いて繰延資産に計上することもできる。

「繰延資産の会計処理に関する当面の取扱い」(実務対応報告第19号)

なお、社債を(発行した側ではなく)取得した側では、有価証券勘定(資産)で処理をする。

社債の利払い

社債利息を支払ったときは、一般の借入金の利息と区別するため、支払利息勘定ではなく、社債利息勘定(費用)の借方に記帳して費用計上する。

社債の償還

社債の償還には、次の2つの方法があり、それぞれで会計処理が異なる。

  1. 満期償還
  2. 買入償還

期末(決算時)

(①社債の評価替え)

償却原価法

社債の発行時には調整されなかった額面金額と発行価額との差額は、決算時に償却原価法としての利息法または定額法により社債の評価替えにより調整する。

すなわち、利息法または定額法で算定された価額を社債利息勘定の借方に記帳して費用計上するとともに、社債勘定(負債)の貸方に記帳して増加させる。

(②社債発行費の償却)

社債発行費を繰延資産として処理をした場合には、決算時に償却を行う必要がある。

(③社債利息の見越計上)

決算時に、当期に計上すべき社債利息を次期以降に支払うことを見越して当期の費用に計上するときは、社債利息の見越計上額を社債利息勘定(費用)の借方に記帳して費用計上するとともに、未払社債利息勘定(負債)の貸方に記帳して負債計上する。

(④社債利息の未払分の計上)

利払日が経過したにもかかわらず、社債権者から利札の呈示がないために、期末においても未払いの社債利息があるときは、決算時に未払金勘定(負債)の貸方に記帳して負債計上する。

取引の具体例と仕訳の仕方

期中
社債の発行

取引

社債(額面総額1000万円)を900万円で割引発行した。なお、社債発行に要した諸費用は30万円であった。

仕訳

借方科目
金額
貸方科目
金額
当座預金 900万 社債 900万
社債発行費 30万 普通預金 30万

社債の利払い

取引

利払日に半年分の社債利息が当座預金口座から引き落とされた。

仕訳

借方科目
金額
貸方科目
金額
社債利息 ✕✕✕✕ 当座預金 ✕✕✕✕

社債の償還

(満期償還)

取引

社債(額面総額100万円、発行価額95万円、年利率5%、利払日は年1回、償還期間5年)の満期日が到来したので、最終回の社債利息とともに普通預金から支払った。

仕訳

借方科目
金額
貸方科目
金額
社債利息 1万 社債 1万
社債 100万 普通預金 105万
社債利息 5万

(買入償還)

仕訳

借方科目
金額
貸方科目
金額
社債利息 ✕✕✕✕ 社債 ✕✕✕✕
社債 ✕✕✕✕ 普通預金 ✕✕✕✕
社債償還益 ✕✕✕✕

期末(決算時)
①社債の評価替え

取引

決算にあたり償却原価法により社債の評価替えを行う。

仕訳

借方科目
金額
貸方科目
金額
社債利息 ✕✕✕✕ 社債 ✕✕✕✕

②社債発行費の償却

取引

決算にあたり、当期分の償却費10万円を計上した。

仕訳

借方科目
金額
貸方科目
金額
社債発行費償却(または繰延資産償却費) 10万 社債発行費 10万

③社債利息の見越計上

取引

決算にあたり、社債利息の見越計上を行った。

仕訳

借方科目
金額
貸方科目
金額
社債利息 ✕✕✕✕ 未払社債利息 ✕✕✕✕

④社債利息の未払分の計上

取引

決算にあたり、社債利息の未払分を計上した。

仕訳

借方科目
金額
貸方科目
金額
社債利息 ✕✕✕✕ 未払金 ✕✕✕✕

社債の税務・税法・税制上の取り扱い

消費税の課税・非課税・免税・不課税(対象外)の区分

不課税取引(課税対象外)

社債は消費税の課税対象外である。

執筆者:ケーソルーション(2006年より本サイト運営)
※本サイトのコンテンツの無断転載を禁じます


現在のページのサイトにおける位置づけ

 現在のページが属するカテゴリ内のページ一覧[全 16 ページ]

  1. 社債
  2. 長期借入金
  3. 親会社長期借入金
  4. 株主長期借入金
  5. 長期設備支払手形
  6. 役員長期借入金
  7. 従業員長期借入金
  8. 長期営業外支払手形
  9. 長期預り金
  10. 預り保証金(受入保証金)
  11. 預り敷金
  12. 長期前受収益
  13. 退職給付引当金
  14. 特別修繕引当金
  15. リース債務
  16. 資産除去債務


当サイトについてお問い合わせプライバシーポリシー免責事項著作権