支払報酬料(支払報酬・報酬)
支払報酬料とは
支払報酬料の定義・意味など
支払報酬料(しはらいほうしゅうりょう)とは、支払手数料で処理する支払いのうち、報酬の支払いを処理する費用勘定をいう。
支払報酬料の別名・別称・通称など
支払報酬・報酬
支払報酬料は支払報酬または単に報酬とも表記する。
支払報酬料の目的・役割・意義など
支払手数料は手数料(銀行の振込手数料や不動産業者の仲介手数料など)・報酬(弁護士や税理士等への報酬・顧問料など)の支払いを処理する勘定科目であるが、後者の支払いは前者の支払いとは異なり源泉徴収の対象となり、その性格が異なる。
そこで支払いの性格が異なる両者を区別するため、特に支払報酬料という勘定科目を使用する。
支払報酬料は弥生会計では標準設定されている。
支払報酬料の範囲・具体例
報酬
- 源泉徴収が必要な報酬
- 専門家に支払う報酬など(所得税法204条1項2号・所得税法施行令320条2項)
- 「源泉徴収税額=1回の支払金額✕10%(または20%)」となる専門家(所得税法205条1項)
- 弁護士報酬
- 公認会計士報酬(監査報酬)
- 税理士報酬(税理士顧問料)
- 社会保険労務士報酬
- 弁理士報酬
- 測量士・測量士補報酬
- 建築士・建築代理士報酬
- 不動産鑑定士・不動産鑑定士補報酬
- 技術士報酬
- 計理士報酬
- 企業診断員報酬
- 中小企業診断士報酬
- 経営コンサルタント料など
- 火災損害鑑定人・自動車等損害鑑定人
- 「源泉徴収税額=(1回の支払金額ー1万円)✕10%(または20%)」となる専門家(所得税法205条2項)
- 司法書士報酬
- 土地家屋調査士報酬
- 海事代理士報酬
- 源泉徴収が不要の専門家
- 行政書士報酬(行政書士手数料・行政書士費用)
- 「源泉徴収税額=1回の支払金額✕10%(または20%)」となる専門家(所得税法205条1項)
- 原稿料・デザイン料・講演料など(所得税法204条1項1号)
- 原稿料
- イラストレーターなどに支払う報酬
- 講演会開催の際の講師に支払う謝礼(講演料)
- 専門家に支払う報酬など(所得税法204条1項2号・所得税法施行令320条2項)
- 源泉徴収が不要な報酬
- プログラマーに支払う報酬(10万円未満のソフトウェアの開発を依頼した場合の費用)
支払報酬料の決算等における位置づけ等
支払報酬料の財務諸表における区分表示と表示科目
損益計算書 > 経常損益の部 > 営業損益の部 > 販売費及び一般管理費 > 支払報酬
所得税の青色申告決算書(損益計算書)記載の勘定科目の当否
支払報酬料は所得税の青色申告決算書(損益計算書)の経費欄には印刷されていない。
しかし、前述したように、支払手数料と同じく弥生会計では標準設定されている。
支払報酬の会計・簿記・経理上の取り扱い
会計処理方法
使用する勘定科目・記帳の仕方等
報酬・顧問料を支払ったときは支払報酬料勘定の借方に記帳して費用計上する。
所得税の源泉徴収
一定の専門家に報酬を支払う場合は所得税の源泉徴収をする義務がある(→一定の専門家に支払う報酬・料金等)(所得税法204条1項2号・所得税法施行令320条2項)。
ただし、法人の場合は、所得税ではなく法人税になるので、源泉徴収は不要である。
源泉徴収した所得税(=源泉所得税)は預り金勘定で処理をする。
なお、報酬額に消費税の額を含めた金額が源泉徴収の対象となる。
源泉徴収すべき所得税額
源泉徴収すべき所得税額は支払金額(源泉徴収の対象となる金額)により次のようになる(所得税法205条)。
- 弁護士・公認会計士・税理士・社会保険労務士・弁理士・測量士・建築士・不動産鑑定士・企業診断員(中小企業診断士・経営コンサルタント)などに支払う場合
- 1回の支払金額が100万円以下の場合…1回の支払金額✕10%
- 1回の支払金額が100万円超の場合…1回の支払金額✕20%
- 司法書士・土地家屋調査士・海事代理士に支払う場合
- (1回の支払金額ー1万円)✕10%
No.2798 弁護士や税理士等に支払う報酬・料金|源泉所得税|国税庁 https://www.nta.go.jp/taxanswer/gensen/2798.htm
No.2801 司法書士等に支払う報酬・料金|源泉所得税|国税庁 https://www.nta.go.jp/taxanswer/gensen/2801.htm
源泉所得税の納付期限
源泉所得税は原則として支払い月の翌月10日までに税務署に納付する。
ただし、例外として納期の特例という制度がある。
参考:No.2505 源泉所得税及び復興特別所得税の納付期限と納期の特例|源泉所得税|国税庁 https://www.nta.go.jp/taxanswer/gensen/2505.htm
支払手数料の事務
法定調書
(支払調書の作成)
一定の要件に該当する報酬などを支払った場合、「報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書」と呼ばれる支払調書を作成し、税務署に提出しなければならない。
その様式については、下記のページからダウンロードできます(エクセルで作成)。
ビジネス文書テンプレート(書式・様式・雛形(雛型 ひな形 ひな型))の無料ダウンロード:税務書類の様式
なお、法定調書、支払調書の詳細については、下記の国税庁のホームページを参照
No.7431 「報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書」の提出範囲と提出枚数|法定調書|国税庁
取引の具体例と仕訳の仕方

司法書士に報酬108,000円(うち消費税8,000円)を支払った。
【ポイント】
- 源泉税(源泉徴収)が必要となる
- 報酬額に消費税の額を含めた金額が源泉徴収の対象となる
- 司法書士・土地家屋調査士・海事代理士の場合の源泉徴収額:(1回の支払金額ー1万円)✕10%

| 借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 支払報酬 |
100,000
|
現金 |
98,200
|
| 仮払消費税 |
8,000
|
預り金 |
9,800
|
支払報酬の税務・税法・税制上の取り扱い
必要経費算入(所得税法)・損金算入(法人税法)の可否
業務の遂行上生じた紛争を解決するため弁護士に支払った報酬
たとえば、業務の遂行中、交通事故にあい、弁護士に示談交渉を依頼した場合などに支払う報酬は、必要経費または損金に算入できる。
所得税関係の審査請求の手続きに関する税理士に支払った報酬
譲渡所得に対する課税処分の取消しを求めて国税不服審判所に審査請求をした場合において、その手続きに関して税理士に支払った報酬は必要経費・損金に算入されない。
なお、この審査請求を認める裁決に基づき課税処分が取り消されたことに伴い、還付加算金の支払いを受けた場合であっても、この還付加算金に係る必要経費・損金ともならない。
消費税の課税・非課税・免税・不課税(対象外)の区分
課税取引
消費税法上、支払報酬料は課税取引に該当し、仕入税額控除の対象となる。
執筆者:ケーソルーション(2006年より本サイト運営)
※本サイトのコンテンツの無断転載を禁じます
現在のページが属するカテゴリ内のページ一覧[全 6 ページ]