(ケーソルーション)簿記・勘定科目一覧ハンドブック

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支払利息

支払利息とは

支払利息の定義・意味など

支払利息(しはらいりそく)とは、銀行等の金融機関・取引先からの借入金などの利息や信用保証協会の信用保証料を処理する費用勘定をいう。

法人・個人の別

法人・個人

支払利息は法人・個人で使用される勘定科目である。

支払利息の範囲・具体例

信用保証料

融資を受ける際に信用保証協会に支払う信用保証料も支払利息に含めてよい。

ただし、支払手数料勘定で処理してもよい。

また、費用収益対応の原則から返済期間が1年超になる長期借入金の保証料は長期前払費用勘定で処理をする。

長期借入金の保証料は借入時に一括して効力が発生するのではなく、返済期間にわたって効力が発生すると考えられるので。

利子税

利子税は、租税公課勘定で処理できるが、支払利息勘定で処理してもよい。

社債利息

社債の利息については財務諸表等規則93条で区分掲記が定められているので、支払利息勘定ではなく社債利息勘定で処理をする。

手形
手形の更改

手形を更改した場合には、旧手形の満期日と新手形の満期日との間の利息が発生するが、この利息についても支払利息勘定で処理する。

ファクタリングの手数料

ファクタリングによる売上債権(売掛債権)の譲渡を債権の売買取引と解する説(売買説)によれば、債権譲渡の際に生じた損失(債権の帳簿価額ー譲渡価額)は売上債権売却損勘定で処理することになる。

しかし、債権を担保とした金融取引と解する説(金融説)によれば、支払利息勘定で処理することになる。

他の勘定科目との関係

利子割引料(支払利息割引料・支払利息及び割引料)

手形売却損とあわせて利子割引料(または支払利息割引料支払利息及び割引料など)という勘定科目で処理する場合もある。

支払利息の決算等における位置づけ等

支払利息の財務諸表における区分表示と表示科目

損益計算書 > 経常損益の部 > 営業外損益の部 > 営業外費用 > 支払利息

区分表示
営業外費用

支払利息は営業外費用に属するものとして表示する。

企業会計原則
(営業外損益)
四 営業外損益は、受取利息及び割引料、有価証券売却益等の営業外収益と支払利息及び割引料、有価証券売却損、有価証券評価損等の営業外費用とに区分して表示する。

表示科目
支払利息

支払利息については財務諸表等規則93条で区分掲記が定められているので、原則として支払利息として表示する。

財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則
(営業外費用の表示方法)
第九十三条  営業外費用に属する費用は、支払利息、社債利息、社債発行費償却、創立費償却、開業費償却、貸倒引当金繰入額又は貸倒損失(第八十七条の規定により販売費として記載されるものを除く。)、有価証券売却損、売上割引その他の項目の区分に従い、当該費用を示す名称を付した科目をもつて掲記しなければならない。

支払利息の会計・簿記・経理上の取り扱い

会計処理方法

費用の認識基準
発生主義または現金主義

利息を前払いしている場合は、発生主義により、原則としては前払利息(または前払費用)勘定などで処理をするということになるが、継続適用を前提にして(→継続性の原則)、現金主義により、支払時にすべて支払利息勘定などで費用処理をする(ただし、支払った日から1年以内のものに限る)ことが認められている(詳細については後述)。

利息(利子)の計算方法

利息金額 = 借入金額 ✕ 年利率 ✕(借入日数(月数)/ 365日(12月))

使用する勘定科目・記帳の仕方等
期中

利息を支払ったときは、支払利息勘定(費用)の借方に記帳して費用計上する。

なお、元本部分とあわせて利息を返済する場合も、本勘定を用いて元本返済部分とは区別して処理する。

期末(決算時)等

(決算整理仕訳)

利息については、発生主義にもとづき、原則として、期末に決算整理事項のひとつとして費用の繰延(費用法を採用している場合)または費用の見越を行う。

費用の繰延

当期に費用として支払った金額に次期以降の期間に対する費用が含まれている場合、原則として期末に未経過分を資産計上して費用の繰延をする必要があるので、次の3つの部分に分けて処理をする。

  1. 当期の費用となる部分…支払利息
  2. 決算期後1年以内に費用となる部分…前払利息または前払費用
  3. 決算期後1年を超えて費用となる部分…長期前払費用

ただし、重要性の原則から、重要性の乏しいものについては、継続適用を前提にして、支払時にすべて費用処理をすることが認められ、前払費用(つまり、資産)に計上しなくてもよいとされている。

換言すれば、利息などの前払費用については、費用の認識基準として、原則とされる発生主義ではなく、現金主義が例外的に認められているということである。

企業会計原則
重要性の原則は、財務諸表の表示に関しても適用される。
重要性の原則の適用例としては、次のようなものがある。

(2) 前払費用、未収収益、未払費用及び前受収益のうち、重要性の乏しいものについては、経過勘定項目として処理しないことができる。

なお、税務上も、この企業会計上の重要性の原則に基づく会計処理が認められ、短期の前払費用について、収益との厳密な期間対応による繰延経理をすることなく、その支払時点で必要経費または損金に算入をすることが認められている。

短期前払費用の取扱いについて|法人税目次一覧|国税庁 https://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/shitsugi/hojin/02/03.htm

所得税基本通達
(短期の前払費用)
37-30の2  前払費用(一定の契約に基づき継続的に役務の提供を受けるために支出した費用のうちその年12月31日においてまだ提供を受けていない役務に対応するもの をいう。以下この項において同じ。)の額はその年分の必要経費に算入されないのであるが、その者が、前払費用の額でその支払った日から1年以内に提供を受ける役務に係るものを支払った場合において、その支払った額に相当する金額を継続してその支払った日の属する年分の必要経費に算入しているときは、これを 認める。

法人税基本通達
(短期の前払費用)
2-2-14 前払費用(一定の契約に基づき継続的に役務の提供を受けるために支出した費用のうち当該事業年度終了の時においてまだ提供を受けていない役務に対応するも のをいう。)の額は、当該事業年度の損金の額に算入されないのであるが、法人が、前払費用の額でその支払った日から1年以内に提供を受ける役務に係るものを支払った場合において、その支払った額に相当する金額を継続してその支払った日の属する事業年度の損金の額に算入しているときは、これを認める。

費用の見越

当期の費用として計上すべきであるが、次期以降にその支払を行うため当期の費用として計上されない場合、費用収益対応の原則から、当期に計上すべき費用を、次期以降に支払うことを見越して当期の費用に計上する会計処理(費用の見越)を行う。

具体的には、支払利息勘定(費用)の借方に記帳して当期の損益計算に計上するとともに、未払利息(または未払費用)勘定(負債)の貸方に記帳して貸借対照表の負債の部に計上する。

なお、支払日が到来しているのに未払いの利息がある場合には、未払金勘定で処理をする。

企業会計原則
(3) 未払費用
…、このような役務に対する対価は、時間の経過に伴い既に当期の費用として発生しているものであるから、これを当期の損益計算に計上するとともに貸借対照表の負債の部に計上しなければならない。

ただし、重要性の原則から、重要性の乏しいものについては、継続適用を前提にして、負債に計上しなくてもよいとされている(つまり、わざわざ未払費用に振り替える必要はない)。

企業会計原則
重要性の原則は、財務諸表の表示に関しても適用される。
重要性の原則の適用例としては、次のようなものがある。

(2) 前払費用、未収収益、未払費用及び前受収益のうち、重要性の乏しいものについては、経過勘定項目として処理しないことができる。

支払利息の管理
補助科目の作成等

法人の場合、法人税の確定申告時に勘定科目内訳明細書(借入金及び支払利子の内訳書)を作成しなければならないので、支払利息は借入先ごとに補助科目(または補助コード)を作成して管理しておくと便利である。

取引の具体例と仕訳の仕方

通常の場合
短期借入金

取引

支払期限を迎え、短期借入金100万円を利息1万円とともに返済した。

仕訳

借方科目
金額
貸方科目
金額
短期借入金 100万 普通預金 101万
支払利息 1万

長期借入金

取引

銀行からの長期借入金に対して元金と利息を返済した。

仕訳

借方科目金額貸方科目金額
長期借入金
✕✕✕✕
普通預金
✕✕✕✕
支払利息
✕✕✕✕

利息・保証料を前払いした場合
資産法を採用している場合

取引

保証協会に保証料5年分(60万円)を支払った。なお、そのうち4カ月分(4万円)は当期の分である。

仕訳

借方科目
金額
貸方科目
金額
支払利息 40,000 普通預金 600,000
長期前払費用 560,000

この会計処理では、期末に費用の繰延を行う必要はない。

手形の更改

取引

資金繰りの都合で約束手形10万円について支払期日延期の申し出をして、1カ月後を満期日とした新手形と交換した。なお、支払期日延期による利息1000円については新手形の額面金額に含めた。

仕訳

借方科目
金額
貸方科目
金額
支払手形(旧) 10万 支払手形(新) 10万1千
支払利息 1千

支払利息の税務・税法・税制上の取り扱い

必要経費算入(所得税法)・損金算入(法人税法)の可否

業務用資産の取得のために要した借入金の利子

業務用資産の取得のために要した借入金の利子も、当然、支払利息勘定で費用処理をしたうえ、必要経費・損金に算入することができるが、当該資産の使用開始の日までの期間に対応する部分の金額については、付随費用として当該資産の取得価額に算入することもできる。

所得税基本通達
(業務用資産の取得のために要した借入金の利子)
37-27 業務を営んでいる者が当該業務の用に供する資産の取得のために借り入れた資金の利子は、当該業務に係る各種所得の金額の計算上必要経費に算入する。ただし、当該資産の使用開始の日までの期間に対応する部分の金額については、当該資産の取得価額に算入することができる。

消費税の課税・非課税・免税・不課税(対象外)の区分

非課税取引

消費税法上、支払利息は非課税取引として、仕入税額控除の対象とならない。

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  8. 手形売却損
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  11. 有価証券評価損
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