簿記・勘定科目一覧ハンドブック(ケーソルーション)

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雑損失

雑損失とは

雑損失の定義・意味など

雑損失(ざつそんしつ)とは、営業外費用に属するもののうち、他のいずれの勘定科目にもあてはまらないもの(または、他の勘定科目に入れることが適当でないもの)、または、その発生がまれで、独立の科目とするほど金額的に重要でないもの(取引金額が少額で重要性に乏しい)を処理する費用勘定をいう。

雑損失の別名・別称・通称など

雑損

雑損失は雑損(ざつそん)ともいう。

雑損失の範囲・具体例

雑損失の範囲

雑損失の範囲は会社により異なる。

ただし、金融商品取引法上の財務諸表等規則では、営業外費用の10%を基準とし、1項目でこれを超えるものについては、独立科目として表示することとされている。

財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則
(営業外費用の表示方法)
第九十三条  営業外費用に属する費用は、支払利息、社債利息、社債発行費償却、創立費償却、開業費償却、貸倒引当金繰入額又は貸倒損失(第八十七条の規定により販売費として記載されるものを除く。)、有価証券売却損、売上割引その他の項目の区分に従い、当該費用を示す名称を付した科目をもつて掲記しなければならな い。ただし、各費用のうちその金額が営業外費用の総額の百分の十以下のもので一括して表示することが適当であると認められるもの(←雑損失)については、当該費用を一括して示す名称を付した科目をもつて掲記することができる。

雑損失の具体例

雑損失で処理するものとしては、次のようなものがある。

  • 現金過不足
    • 現金不足
  • 盗難による損失
  • 税金の延滞税・加算税・罰金
  • 損害賠償金
    • 交通事故の見舞金
  • 生命保険の中途解約による損失(積立保険料と解約返戻金(生命保険)との差額)
  • 解体費用
  • ファクタリングの手数料

現金過不足

帳簿上の現金残高と実際の現金の在り高が一致しない場合には、一時的に現金過不足勘定を用いて帳簿残高を実際の現金に一致させておき、後日不一致の原因がわかったときに正しい勘定科目に振り替える。

しかし、期末(決算日)になっても現金不足がありその原因が不明の場合は、その残高を雑損失勘定に振り替えて費用として処理する(現金過不足の整理)。

交通事故の見舞金

損害賠償金には、慰謝料、示談金、見舞金等の名目を問わず、他人に与えた損害を賠償するために支払う一切の金銭が含まれる。

したがって、交通事故の見舞金として支払った場合も、損害賠償金を支払った場合の処理と同様に、雑損失勘定などで処理をする。

解体費用

建物などの解体費用は経常的に発生する費用ではないので、原則として、特別損失として固定資産除却損に含めて費用計上をするが、雑損失(営業外費用)勘定などを使用して処理することも考えられる。

ファクタリングの手数料

ファクタリングによる売上債権(売掛債権)の譲渡の際に生じた損失(債権の帳簿価額ー譲渡価額)は売上債権売却損勘定(売買説)または支払利息勘定(金融説)で処理する。

ただし、取引金額が少額で重要性に乏しいものは雑損失勘定で処理してもよい。

雑損失の決算書における位置づけ等

雑損失の財務諸表における区分表示と表示科目

損益計算書 > 経常損益の部 > 営業外損益の部 > 営業外費用 > 雑損失

区分表示
営業外費用

雑損失は、主たる営業活動以外から生じた損失のうち、他のいずれの営業外費用にも該当しないものを処理する費用なので、損益計算書において営業外費用に属する費用として表示される。

表示科目
雑損失

雑損失で処理した個々の費用をバラバラに書く代わりに当該費用を一括して示す名称(=雑損失)を付した科目をもつて掲記する(=その名称で表示する)ことができる。

財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則
(営業外費用の表示方法)
第九十三条  営業外費用に属する費用は、…。ただし、各費用のうちその金額が営業外費用の総額の百分の十以下のもので一括して表示することが適当であると認められるものについては、当該費用を一括して示す名称を付した科目をもつて掲記することができる。

所得税の青色申告決算書(損益計算書)記載の勘定科目の当否

雑損失は所得税の青色申告決算書(損益計算書)記載の勘定科目ではない。

雑損失の会計・簿記上の取り扱い

会計処理

費用の認識基準(計上時期・期間帰属)
発生主義

雑損失は、当該損失が発生し、その金額が合理的に見積もられる時点において費用として計上する。

使用する勘定科目・仕訳の仕方

雑損失が発生した場合には、雑損失勘定の借方に記帳して費用計上するとともに、現金預金や未収金、資産の減少などを貸方に計上する。

注意点・注意事項
会社・法人の場合

法人税申告書に添付する内訳書では、雑損失については取引内容別に書くこととされている。

したがって、決算時の処理を軽減するという観点からは、雑損失勘定はできるかぎり使用しないほうがよい。

取引の具体例と仕訳

損害賠償金

取引

損害賠償金を現金で支払った。

仕訳

借方科目
金額
貸方科目
金額
雑損失 ✕✕✕✕ 現金 ✕✕✕✕

雑損失の税法上の取り扱い

必要経費算入・損金算入

雑損失は、本来の営業活動以外から生じる損失であるが、事業に関連して生じた損失であるため、個人事業主においては必要経費に算入され、法人においては損金に算入される。

消費税の課税・非課税・免税・不課税(対象外)の区分

不課税取引(課税対象外)

消費税法上、雑損失は不課税取引として消費税の課税対象外である。

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