簿記・勘定科目一覧ハンドブック(ケーソルーション)

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貯蔵品

貯蔵品とは

貯蔵品の定義・意味など

貯蔵品(ちょぞうひん)とは、消耗品などのうち相当な価額以上の未使用のもの、または、除却した有形固定資産で処分価値があるもの(評価額がつくもの)を処理する資産勘定をいう。

貯蔵品の法人・個人の別

法人・個人

貯蔵品は法人・個人で使用される勘定科目である。

貯蔵品の範囲・具体例

貯蔵品勘定で処理するものは、具体的には次のようなものがある。

  • 消耗品
    • 文房具などの事務用消耗品
    • 広告宣伝用印刷物
    • 見本品
    • 包装紙など包装材料
    • 荷造発送用の材料
    • ドライバ・ペンチ・ネジなど消耗工具器具備品・工場用消耗品
    • 燃料
  • その他
    • 切手
    • 収入印紙
    • 回数券(電車・バス・新幹線)
    • タクシーチケット

収入印紙

収入印紙は貯蔵品勘定を用いて資産計上するほか、租税公課消耗品費勘定などを用いて費用計上してもよい。

貯蔵品の位置づけ・体系(上位概念等)

棚卸資産

貯蔵品は棚卸資産のひとつである。

なお、棚卸資産には次のようなものがある。

  1. 通常の営業過程において販売するために保有する財貨または用益
    1. 商品(販売用不動産を含む)
    2. 製品(半製品・副産物・作業屑を含む)
    3. 未着品
    4. 積送品
    5. 試用品
  2. 販売を目的として現に製造中の財貨または用益
    1. 半製品
    2. 仕掛品(半成工事を含む)
  3. 販売目的の財貨または用益を生産するために短期間に消費されるべき財貨
    1. 原材料(主要原材料と補助原材料)
  4. 販売活動または一般管理活動において短期間に消費されるべき財貨
    1. 貯蔵品
    2. 消耗品(事務用消耗品など)
  5. 棚卸資産に準ずる資産

企業会計基準第9号 棚卸資産の評価に関する会計基準
棚卸資産の範囲
28. これまで、棚卸資産の範囲は、原則として、連続意見書 第四に定める次の 4 項目のいずれかに該当する財貨又は用役であるとされている。
(1) 通常の営業過程において販売するために保有する財貨又は用役
(2) 販売を目的として現に製造中の財貨又は用役
(3) 販売目的の財貨又は用役を生産するために短期間に消費されるべき財貨
(4) 販売活動及び一般管理活動において短期間に消費されるべき財貨

貯蔵品の目的・役割・意義など

費用収益対応の原則

貯蔵品の会計処理については、すぐに消費されてなくなってしまうため、これを費用として処理する費用法と、具体的な形があるモノであるため、これを資産として処理する資産法がある。

費用収益対応の原則からは、資産法が原則といえる。

棚卸資産としての貯蔵品勘定は、資産法(具体的には、事務用品や消耗品などをいったん資産として計上し、使用時に費用に振り替える方法)を採用した場合に必要となる勘定科目である。

また、費用法を採用した場合であっても、期末に未使用分がある場合には、これを貯蔵品として資産計上するためにも使用される。

ただし、重要性の原則から、重要性が乏しいものについては、あえて貯蔵品に振り替える必要はない。

企業会計原則注解
〔注1〕重要性の原則の適用について
企業会計は、定められた会計処理の方法に従って正確な計算を行うべきものであるが、企業会計が目的とするところは、企業の財務内容を明らかにし、企業の状況に関する利害関係者の判断を誤らせないようにすることにあるから、重要性の乏しいものについては、本来の厳密な会計処理によらないで他の簡便な方法によることも、正規の簿記の原則に従った処理として認められる。

重要性の原則の適用例としては、次のようなものがある。
(1) 消耗品、消耗工具器具備品その他の貯蔵品のうち、重要性の乏しいものについては、その買入時又は払出時に費用として処理する方法を採用することができる。

貯蔵品の決算等における位置づけ等

貯蔵品の財務諸表における区分表示と表示科目

貸借対照表 > 資産 > 流動資産 > 貯蔵品

区分表示
流動資産

貯蔵品は流動資産に属するものとして表示する。

会社計算規則
(資産の部の区分)
第七十四条  
 次の各号に掲げる資産は、当該各号に定めるものに属するものとする。
 次に掲げる資産 流動資産

 消耗品、消耗工具、器具及び備品その他の貯蔵品であって、相当な価額以上のもの
財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則
(流動資産の範囲)
第十五条  次に掲げる資産は、流動資産に属するものとする。

 消耗品、消耗工具、器具及び備品その他の貯蔵品で相当価額以上のもの

表示科目
貯蔵品

財務諸表等規則では、棚卸資産については、その内容を示す名称を付して表示することとされているため、実務においては「商品」「製品」などと同様に、「貯蔵品」として表示するのが一般的である。

財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則
(流動資産の区分表示)
第十七条 流動資産に属する資産は、次に掲げる項目の区分に従い、当該資産を示す名称を付した科目をもつて掲記しなければならない。

 原材料及び貯蔵品

貯蔵品の会計・簿記上の取り扱い

会計処理

貯蔵品の実務上のポイント

貯蔵品は、事務用品や消耗品など継続的に使用される物品を処理する棚卸資産であるため、実務上は費用配分と数量管理が重要となる。

すなわち、購入時に費用処理する方法(費用法)と、いったん資産として計上し、使用時に費用に振り替える方法(資産法)のいずれを採用するかにより、期間損益に影響を与えることになるので、注意を要する。

また、費用法を採用した場合でも、期末には実地棚卸を行い、未使用分を貯蔵品として資産計上するなど、適切に整理する必要がある。

使用する勘定科目・仕訳の仕方
資産法

貯蔵品について資産法を採用した場合には、購入時にいったん貯蔵品として資産計上し、使用時に消耗品費などの費用勘定へ振り替える処理を行う。

費用法

期末(決算時)等

費用法を採用した場合でも、決算時には、棚卸しによって決定された未使用の消耗品高を当該費用勘定の貸方に記帳するとともに貯蔵品勘定の借方に記帳して資産計上する。

翌期首

翌期首には、前期の期末在庫を費用勘定の借方に記帳するとともに貯蔵品勘定の貸方に記帳して振替処理を行う(費用に振り替える)。

例外

税法上は、毎期おおむね一定数量を継続的に取得・消費をする事務用消耗品などについては、貯蔵品として、資産計上する必要はないとされている。

また、少額のものは、あえて貯蔵品に振り替える必要はない。

取引の具体例と仕訳

資産法
期中

取引

事務用品10,000円を現金で購入した。

仕訳

借方科目
金額
貸方科目
金額
貯蔵品 10,000 現金 10,000

取引

そのうち6,000円分を使用した。

仕訳

借方科目
金額
貸方科目
金額
消耗品費 6,000 貯蔵品 6,000

費用法
期末(決算時)等

資産計上

取引

期末の棚卸しで費用処理をしていた未使用の商品カタログを確認したので、資産計上した。

仕訳

借方科目
金額
貸方科目
金額
貯蔵品 ✕✕✕✕ 広告宣伝費 ✕✕✕✕

翌期首

振替処理

取引

翌期首に、前期の未使用の商品カタログの期末在庫の振替処理をした。

仕訳

借方科目
金額
貸方科目
金額
広告宣伝費 ✕✕✕✕ 貯蔵品 ✕✕✕✕

貯蔵品の税法上の取り扱い

消費税の課税・非課税・免税・不課税(対象外)の区分

不課税取引(課税対象外)

貯蔵品は棚卸資産としての資産勘定であり、その保有や振替自体は資産の譲渡や役務の提供に該当しないため、消費税の課税対象とはならず、不課税取引となる。

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