(ケーソルーション)簿記・勘定科目一覧ハンドブック

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棚卸減耗費(棚卸減耗損)

棚卸減耗費とは

棚卸減耗費の定義・意味など

棚卸減耗費(たなおろしげんもうひ)とは、棚卸減耗を処理する費用勘定をいう。

棚卸減耗費の別名・別称・通称など

棚卸減耗損

棚卸減耗費は棚卸減耗損(たなおろしげんもうそん)ともいう。

棚卸減耗費の目的・役割・意義など

期末商品の評価

商品の在庫数量には、棚卸の種類(帳簿棚卸と実地棚卸)に対応して、次の2つの種類がある。

  1. 帳簿棚卸数量 … 帳簿棚卸により(具体的には商品有高帳にもとづいて)算定された在庫数量
  2. 実地棚卸数量 … 実地棚卸により実際に調べた在庫数量

期中においては、商品の在庫管理は、通常、帳簿(商品有高帳)上で行って帳簿棚卸数量(帳簿有高)を算定する(継続記録法)。

ただし、その記録の正確性を確認するために、定期的に実地棚卸を行って実地棚卸数量を調べ、帳簿棚卸数量との照合を行う。

ただし、棚卸減耗の調査は、期末に一度、期末商品の評価においてなされるのが一般的である。

本来であれば、両者は一致する。

しかし、商品の盗難(万引き)・紛失や入力ミスなどにより、帳簿棚卸数量よりも実地棚卸数量のほうが少ない場合がある。

この減少分が棚卸減耗である。

棚卸減耗があった場合は、決算整理事項のひとつ(期末商品の評価)として、これを費用とみて期末商品棚卸高から控除する処理を行う。

棚卸減耗費は、この会計処理で用いられる勘定科目である。

棚卸減耗費の決算等における位置づけ等

財務諸表における棚卸減耗費の区分表示と表示科目

区分表示

棚卸減耗費は、その原価性の有無により損益計算書における表示区分が異なる。

『日商簿記2級 商業簿記 スピード攻略テキスト』 DAI-X出版、2004年、225項。

原価性がある場合

損益計算書 > 経常損益の部 > 営業損益の部 > 売上原価 > 棚卸減耗費
または
損益計算書 > 経常損益の部 > 営業損益の部 > 販売費及び一般管理費 > 棚卸減耗費

原価性がない場合

損益計算書 > 経常損益の部 > 営業外損益の部 > 営業外費用 > 棚卸減耗費
または
損益計算書 > 特別損益の部 > 特別損失 > 棚卸減耗費

棚卸減耗費の会計・簿記・経理上の取り扱い

会計処理方法

使用する勘定科目・記帳の仕方等
期末(決算時)

(決算整理仕訳(期末商品の評価))

棚卸減耗費・繰越商品

期末の実地棚卸により帳簿棚卸数量よりも実地棚卸数量のほうが少ないことが判明した場合、その減少分(棚卸減耗)の金額を棚卸減耗費勘定(費用)の借方に記帳して費用計上するとともに、繰越商品勘定(資産)の貸方に記帳してこれを減少させる。

棚卸減耗費の計算方法

棚卸減耗費は、次の計算式により算定・算出をする。

棚卸減耗費 = 商品1個あたりの原価 ✕(帳簿棚卸数量 - 実地棚卸数量)

取引の具体例と仕訳の仕方

取引

期末において、商品(仕入原価@100円)の実地棚卸をしたところ、90個であった。しかし、商品有高帳の在庫数量は100個である。

仕訳

借方科目
金額
貸方科目
金額
棚卸減耗費 1000 繰越商品 1000

棚卸減耗費の税務・税法・税制上の取り扱い

消費税の課税・非課税・免税・不課税(対象外)の区分

不課税取引(課税対象外)

棚卸減耗費は消費税の課税対象外である。

消費税法基本通達
(資産の廃棄、盗難、滅失)
5-2-13 棚卸資産又は棚卸資産以外の資産で事業の用に供していた若しくは供すべき資産について廃棄をし、又は盗難若しくは滅失があった場合のこれらの廃棄、盗難又は滅失は、資産の譲渡等に該当しないことに留意する。

執筆者:ケーソルーション(2006年より本サイト運営)
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