簿記・勘定科目一覧ハンドブック(ケーソルーション)

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交際費(接待交際費・交際接待費・交際費等)

交際費とは 【entertainment expenses

交際費の定義・意味など

交際費(こうさいひ)とは、得意先、仕入先その他事業に関係ある者等に対する接待、供応、慰安、贈答その他これらに類する行為のために支出する費用を処理する費用勘定をいう。

租税特別措置法 第61条の4

後述するように、交際費のポイントは会計上交際費として支出した費用が法人税法上の交際費に該当するか否かである。そのため、交際費の定義は税法上の交際費の定義に基づいた。個人事業主の場合もこの定義で問題ないと思われる。

交際費の別名・別称・通称など

接待交際費・交際接待費

交際費は、接待交際費(せったいこうさいひ)・交際接待費(こうさいせったいひ)ともいう。

また、税法上では交際費等とも呼ばれる。

交際費のポイント

法人税法上の交際費該当の可否

交際費の会計処理(仕訳)自体は簡単である。

交際費のポイントは税法が定める交際費の範囲・具体例と損金不算入制度の理解である。

つまり、会計上交際費として支出した費用が法人税法上の交際費に該当するか否かがポイントである。

そして、これに基づき、支出した費用が交際費として処理すべきか、あるいは、会議費・福利厚生費・広告宣伝費・給与・寄附金等のいずれかで処理すべきかを見分ける点が交際費の実務上のポイントである。

交際費の範囲については税法とその通達で詳細に規定されており、また、交際費は原則として損金不算入とされるが、例外的な措置もいくつか設けられている。

実務では、特にこの交際費の損金不算入制度に関する知識が必須となる。

なぜならば、会計上、交際費は支出の全額が費用として計上されるが、一方、税法上は一定の限度を超える部分について損金算入が認められない場合があるからである。

このため、会計上の費用計上額と税法上の損金算入額が一致しないことがありうる。

法人・個人の別

法人・個人

交際費は法人・個人で使用される勘定科目である。

ただし、交際費のポイントとなる損金不算入制度は法人の論点であり、個人事業主は「必要経費に当たるか」で判断することになる。

他の勘定科目との関係

会議費との違い

会議に通常必要な茶菓・弁当等は交際費ではなく会議費となる。

これに対し、取引先との関係維持・親睦を主たる目的とする飲食は交際費となる。

福利厚生費との違い

専ら従業員の慰安のために通常要する費用は福利厚生費であり、交際費には含まれない。

これに対し、取引先その他事業関係者に対する接待・贈答等の費用は交際費となる。

広告宣伝費との違い

不特定多数を対象として商品の宣伝や販売促進を目的とする支出は広告宣伝費である。

これに対し、特定の取引先等に対する接待や贈答は交際費となる。

交際費の範囲・具体例

交際費の範囲
税法上の交際費に該当するか否かの判断基準

会計上交際費として支出した費用が税法上の交際費に該当するかどうかは、単に支出の名目ではなく、次の点を総合して個別具体的に判断する。

  1. 支出の相手が得意先、仕入先、株主、役員、従業員その他事業関係者等に当たるか
  2. 支出の目的が接待、供応、慰安、贈答その他これらに類するものか
  3. 販売促進、会議、福利厚生、給与、寄附等の他の性質を有しないか
  4. 支出の内容が通常要する範囲内か

この交際費の範囲については、各種法令や通達で具体的に規定されている。

それらの内容は複雑で多岐に渡っているが、整理をすると次のようになる。

交際費に含まれるもの

取引先と自社の従業員・役員・株主

租税特別措置法により、交際費は「交際費、接待費、機密費、その他の費用で法人がその得意先、仕入先その他事業に関係ある者等に対する接待、供応、慰安、贈答その他これらに類する行為のために支出する費用」と定義されるが、ここにいう「事業に関係のある者等」は、得意先、仕入先などの取引先に限らず、自社の従業員、役員、株主等に対するものも含まれる。

交際費に含まれないもの

租税特別措置法関係

租税特別措置法および措置法を受けた租税特別措置法施行令の規定を整理すると、次の費用が交際費の範囲から除外されている。

  1. 専ら従業員の慰安のために行われる運動会、演芸会、旅行等のために通常要する費用
  2. 1人あたり1回10,000円以内の外部事業関係者との飲食
  3. カレンダー、手帳、扇子、うちわ、手拭いその他これらに類する物品を贈与するために通常要する費用
  4. 会議に関連して、茶菓、弁当その他これらに類する飲食物を供与するために通常要する費用
  5. 新聞、雑誌等の出版物又は放送番組を編集するために行われる座談会その他記事の収集のために、又は放送のための取材に通常要する費用

措置法通達

措置法通達では、次に掲げるような性質を有する支出は交際費の範囲に含まれないものとされている。

  1. 寄附金
  2. 値引き及び割戻し
  3. 広告宣伝費
  4. 福利厚生費
  5. 給与等

所得税基本通達

(渡切交際費)

所得税基本通達では、いわゆる渡切交際費については、交際費ではなく、その支給を受ける者の給与等に該当するものとされている。

(役員等に支給される交際費等)
28-4 使用者から役員又は使用人に交際費、接待費等として支給される金品は、その支給を受ける者の給与等とする。ただし、使用者の業務のために使用すべきものとして支給されるもので、そのために使用したことの事績の明らかなものについては、課税しない。

交際費の具体例

交際費は、得意先等に対する「接待、供応、慰安、贈答その他これらに類する行為」のために支出する費用とされているので、以下、交際費を次のように分類して、その具体例をあげる。

  1. 接待・供応
  2. 慰安
  3. 贈答
  4. 慶弔見舞金
  5. その他

1.接待・供応のために支出する費用
  • 取引先等の外部事業関係者を招待した場合など来客接待時の食事代(飲食代・飲食費)・送迎費・手土産など
  • 取引先との懇親会の費用
  • 会社創立記念パーティーなどの宴会費
  • タクシー代

取引先との懇親会

取引先との懇親会の費用は交際費勘定で処理する。

タクシー代

通常、タクシー代は旅費交通費勘定で処理するが、得意先等に対して自社が行う接待のために支出したタクシー代は交際費勘定で処理する。

ただし、他社が行う接待を受けるために支出したタクシー代は交際費には該当せず、旅費交通費となる。

2.慰安のために支出する費用
  • 取引先とのゴルフコンペ・懇親会・慰安旅行・スポーツ大会・麻雀などの費用
  • ゴルフクラブ年会費
  • ゴルフ場利用税
  • レジャークラブ年会費(スポーツクラブ年会費など)
  • お茶やコーヒーなどの飲食物
  • 社内交際費
    • 社内飲食費
    • 社内の懇親会の費用
  • 社内の新聞・雑誌購入費用

お茶やコーヒーなどの飲食物

従業員が飲むお茶やコーヒーを来客用にも使用している場合には、交際費(または会議費)のほか、福利厚生費で処理してもよい。

社内交際費(社内飲食費・社内の懇親会)

社内の飲食・懇親会費用は、その実態に応じて福利厚生費、会議費、交際費等に区分される。専ら従業員の慰安のための行事に通常要する費用は、法人税上は交際費等から除外される。

3.贈答のために支出する費用
  • お中元・お歳暮
  • 手土産品
  • 商品券
  • 記念品
  • 物品やサービスで行われる売上割戻

お中元・お歳暮

お中元・お歳暮は、交際費として処理する。

商品券

お中元・お歳暮等として商品券を取引先(得意先・仕入先)に贈った場合、その購入に要した費用は交際費勘定で処理する。

なお、同じ商品券であっても、これを従業員に渡した場合は、給与として処理をすることに注意。

記念品

取引先等に対して記念品を贈呈した場合は交際費勘定で処理する。

なお、従業員等に対して記念品を贈呈した場合は、所定の条件を満たせば福利厚生費勘定で処理する。

物品やサービスで行われる売上割戻

税法上、物品やサービスで行われる売上割戻は原則として交際費として取り扱われる。

ただし、事業用資産または購入単価が少額の物品であれば、交際費に該当せず、売上割戻として処理できる。

4.慶弔見舞金のために支出する費用

社外の者に対する慶弔見舞金は原則として交際費勘定で処理する。

なお、従業員等に対する慶弔見舞金は福利厚生費勘定で処理する。

慶弔見舞金(慶弔費・見舞金)

得意先・仕入先その他事業に関係のある者等に支出する結婚祝・出産祝・誕生日祝などの祝儀等の慶弔見舞金は原則として交際費勘定で処理する。

ただし、下請け企業の従業員等に支出する慶弔見舞金は、課税実務上、交際費に該当しないものとされているので、会社の従業員等に対して支出する場合に準じて、福利厚生費勘定で処理する。

香典

取引先などへの香典は、交際費勘定で処理する。

なお、従業員等への香典は、福利厚生費勘定で処理する。

社葬費用

社会通念を超えた多額の社葬費用も交際費勘定で処理する。

4.その他
  • 謝礼金
  • 参加費
  • 専門誌・業界紙等の定期購読料
  • 特約店になってもらうための運動費
  • 起工式・落成式などの費用
  • 高層ビル建築など周辺住民の同意を得るために使った飲食代・旅行招待代
  • 工事の入札談合金
  • ライオンズクラブ関係
    • ライオンズクラブ入会金
    • ライオンズクラブ会費
  • ロータリークラブ関係
    • ロータリークラブ入会金
    • ロータリークラブ会費
  • 得意先・仕入先その他事業に関係ある者の後援会の会費

謝礼金

一般的な謝礼金などは、交際費として処理する。

参加費

取引先の忘年会・新年会やゴルフコンペなどの行事に参加するための参加費は、交際費として処理する。

なお、事業に関連した研修会などへの参加費は、会議費として処理する。

専門誌・業界紙等の定期購読料

新聞や雑誌等の購入費用については、通常、新聞図書費勘定で処理をする。

ただし、専門誌・業界紙等の定期購読料は、状況によっては交際費として処理することも考えられる。

交際費の決算書における位置づけ等

交際費の財務諸表における区分表示と表示科目

損益計算書 > 経常損益の部 > 営業損益の部 > 販売費及び一般管理費 > 交際費

区分表示
販売費及び一般管理費

交際費は販売費及び一般管理費に属するものとして表示する。

表示科目
交際費

交際費は独立した勘定科目として処理するほか、販売費及び一般管理費の中でまとめて管理されることもある。

しかし、税法上の損金算入限度額の管理のため、交際費として区分して記録することが重要である。

所得税の青色申告決算書(損益計算書)記載の勘定科目の当否

接待交際費

所得税青色申告決算書には接待交際費という名称で記載がある。

交際費の会計・簿記上の取り扱い

会計処理

費用の認識基準(計上時期・期間帰属)
発生主義

交際費は、接待・贈答等の役務提供や物品の引渡しが行われた時点で費用として認識する。

支払時ではなく、費用の発生時点で計上する点に注意する。

未払交際費

決算日までに接待等は実施されているが未払いの場合には、未払金または未払費用として計上する。

前払交際費

将来の接待のための前払いは、費用ではなく前渡金、仮払金、前払費用勘定などで処理する。

取引の具体例と仕訳

基本

仕訳

借方科目
金額
貸方科目
金額
交際費 ✕✕✕✕ 現金 ✕✕✕✕

接待・供応
タクシー代

取引

社員が得意先等に対して自社が行う接待のためにタクシーを使い、タクシー代を立替払いしたので、これを翌日に精算した。

仕訳

借方科目
金額
貸方科目
金額
交際費 ✕✕✕✕ 現金 ✕✕✕✕

ゴルフコンペ(接待ゴルフ)を開催したとき

ゴルフ場利用税が領収書等で明確に区分されている場合

取引

ゴルフコンペに得意先を招待し、消費税込みで23,000円を現金で支払った。領収書には、ゴルフ場利用税の金額1,000円が明記されている。なお、消費税は税込処理方式を採用している。

仕訳

借方科目金額貸方科目金額
交際費 22,000 現金 23,000
租税公課 1,000

慶弔見舞金

取引先等への香典

取引

得意先の葬儀で香典を現金で支払った。

仕訳

借方科目
金額
貸方科目
金額
交際費 ✕✕✕✕ 現金 ✕✕✕✕

交際費の税法上の取り扱い

必要経費算入(所得税法上)・損金算入(法人税法上)の可否

必要経費算入の可否(所得税法)

個人事業主は、法人のような交際費等損金不算入制度の適用対象ではない。

個別に必要経費に当たるか否かで判断する

損金算入の可否(法人税法)
損金不算入制度

交際費に該当する費用は、税法上(租税特別措置法61条の4)、原則として損金算入できない。

しかし、以下のような例外が設けられている。

損金不算入の例外

大企業(資本金1億円超100億円以下)の接待飲食費の50%損金算入

中小法人等以外の法人のうち、100億円超法人等を除く法人については、接待飲食費の50%損金算入が認められる。

中小企業(資本金1億円以下の法人)向けの特例

中小企業にあっては、800万円までの全額損金算入または接待飲食費の50%のどちらか有利な方を選択できる。

1人1万円以下の飲食費

得意先、仕入先その他事業関係者等に対する接待、供応、慰安、贈答等に支出するものは交際費として処理をするのが原則である。

しかし、2024年税制改革により、法人税では、一定の書類保存を要件として、1人当たり1万円以下の一定の飲食費は交際費等から除外されることになった。

ただし、この規程の適用にあたっては、いわゆる社内飲食費は除かれ、また、所定の事項を記載した書類を保存していることが必要となる。

さらに、10,000円を1円でもオーバーした場合は1万円以下飲食費の除外規定の適用は受けられないので、注意を要する。

渡切交際費

交際費が多い事業所では、交際費枠を廃止して(つまり、交際費等の名目で毎月一定額の金銭を支給しているが、その精算は行わない。いわゆる渡切交際費)、その相当額を給与に加算して支給するという方法もある。

渡切交際費は、税法上、その支給を受ける者の給与等に該当するものとされている。

これにより、交際費等の損金不算入制度により、交際費等のうち損金に算入できない部分についても経費にすることができる。

ただし、支給を受けた従業員等はその分所得税がかかってくることになる。

消費税の課税・非課税・免税・不課税(対象外)の区分

交際費勘定は消費税の課税区分が一律ではない。

飲食代・贈答品購入費などは通常課税仕入れとなるが、商品券の購入は非課税、祝儀・香典・見舞金など現金交付は不課税となる。

非課税取引

商品券などの金券を購入したときは消費とは考えられず、非課税取引となる。

不課税取引(課税対象外)

現金で渡す祝儀、祝い金、香典、見舞金などの慶弔費は不課税取引である。

タックスアンサー
No.6463 寄附金や交際費の取扱い
...
交際費については、その支出がお中元やお歳暮のように得意先への贈答品としての物品の購入代金や、得意先の接待のための飲食代の支払である場合には、原則として課税仕入れとなります。
ただし、得意先へ商品券の交付をする場合や、祝金、餞別、弔慰金などを支出した場合には、課税仕入れとなりません。
...

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