簿記・勘定科目一覧ハンドブック(ケーソルーション)

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会議費

会議費とは

会議費の定義・意味など

会議費(かいぎひ)とは、会議・打合せ・商談等を行うために通常要する費用を処理する費用勘定をいう。

なお、法人税法上では、会議に関連して茶菓、弁当その他これらに類する飲食物を供与するために通常要する費用は、交際費等から除外されるものとされている。

租税特別措置法施行令
第三十七条の五
法第六十一条の四第三項第三号 に規定する政令で定める費用は、次に掲げる費用とする。

会議に関連して、茶菓、弁当その他これらに類する飲食物を供与するために通常要する費用

法人・個人の別

法人・個人

会議費は法人・個人で使用される勘定科目である。

会議費の実務上のポイント

交際費との区別

会議費の実務上のポイントは、その支出の主たる目的が「会議・商談」なのか、それとも「接待・親睦」なのかを見分ける点にある。

会議・商談に通常要する費用であれば会議費となるが、接待・親睦の性格が強いものは交際費として処理する。

そのため、会議費として処理する場合には、日時、場所、参加者、議題等を記録し、会議としての実態を説明できるようにしておくことも重要である。

会議費の範囲・具体例

会議費の範囲
会議費と交際費の区別基準

会議費と交際費を区別するための公的な具体的基準は示されていないが、実務的には次のような観点から総合的に判断すべきものとされている。

  1. 会議・商談等の実態があるか
  2. 場所が会議に通常用いられる場所か
  3. 飲食の内容が会議に通常伴う範囲か
  4. 接待・親睦そのものが主目的になっていないか
項目会議費交際費
主目的 会議・打合せ・商談 接待・親睦・贈答
場所 会議室・喫茶店・商談場所等 宴会場・酒席中心の場所等
飲食内容 通常の茶菓・弁当・軽食等 接待色の強い飲食
税法上の扱い 通常は損金算入 損金不算入規制の対象となり得る

これをもとに社内で一定の基準を作成し(後述)、それにしたがって継続的に会計処理を行う。

場所・時間帯

会議費は、「会議」という以上、会議場としてふさわしい場所・時間帯で行われることが前提となる。

原則として、会議は事務所の会議室など社内で行われることが望ましいといえる。

しかし、事務所が手狭である等の理由から社外で行われることもある。

貸し会議室、喫茶店のほか、ホテルのラウンジ等で行う打ち合わせも、その実態があれば会議費となり得る。

これに対して、酒席が主目的とみられるスナック、カラオケボックス、クラブ、キャバレーなど会議にふさわしくない場所・時間帯で行われた場合は会議費ではなく交際費として扱うのが相当である。

飲食の内容

会議費は「通常供与される昼食の程度を越えないこと」が必要とされる。

具体的には、食堂やレストラン等で提供される通常のランチ程度のものが会議費に該当する。

会議費の具体例

会議費として処理できるものとしては、具体的には、次のようなものがある。

  • 会場室の使用料・利用料(貸し会議室等)
  • 会議資料作成費
  • 社内会議に伴う茶菓・弁当・コーヒー・お茶等の飲食費
  • 来客との商談・打合せの際の喫茶店・ホテルラウンジ等での通常の飲食費

これに対し、接待・懇親・慰安が主目的となる飲食費、打上げ・反省会・宴会等の費用は、通常は会議費ではなく、交際費または福利厚生費等として処理する。

打ち合わせ

たとえば、社員・従業員等を、慰労目的ではなく、仕事の打ち合わせ(たとえば、業務上の報告・連絡・相談、情報・意見交換等)のため、昼食等に連れて行った場合など、会議費で処理をすることも可能である。

なお、会議費として処理をする以上、会議の日時、場所、参加者、議題、簡単な議事内容などは記録(内部的な会計資料)として残しておくべきである。

ただし、通常の会議であれば、議事録を作成するが、この種の「会議」については簡単な記録でもよいであろう。

セミナーなどの参加費

事業に関連したセミナーなどの参加費は会議費として処理してもよい。

社内の懇親会

社内の懇親会の費用は、通常は会議費ではない。

専ら従業員の慰安のために通常要するものであれば福利厚生費として処理し、特定者のみを対象とする場合や実質的に給与に近いものは、その実態に応じて判断する。

会議費として処理するには、会議・打合せとしての実態があり、その記録が残されていることが重要である。

他の勘定科目との関係

雑費

会議費の金額が少額である場合には、雑費 等に含めて処理することもある。
ただし、交際費との区別が問題となる場合には、会議費を独立した科目として設定し、交際費と混在しないように記録しておくことが望ましい。
交際費は税務上の損金不算入制度の対象となる場合があるため、会議費と明確に区分して記録・表示しておく必要があるからである。

福利厚生費

会議・打合せとしての実態がある飲食費は会議費となる。

しかし、専ら従業員の慰安・親睦を目的とするものは 福利厚生費 として処理する。

したがって、社内飲食費については、その主たる目的が業務上の会議なのか、慰安・懇親なのかにより区分することになる。

会議費の決算等における位置づけ等

会議費の財務諸表における区分表示と表示科目

損益計算書 > 経常損益の部 > 営業損益の部 > 販売費及び一般管理費 > 会議費

区分表示
販売費及び一般管理費

会議費は、営業活動および管理活動に関連して発生する費用であるため、販売費及び一般管理費に属するものとして区分表示する。

表示科目
会議費・その他の販管費

会議費は、独立した勘定科目として表示するほか、販売費及び一般管理費の中で他の費用とまとめて表示されることもある。

特に、金額的重要性が低い場合には、「雑費」や「その他の販売費及び一般管理費」等に含めて表示されることもある。

会議費の会計・簿記上の取り扱い

会計処理

使用する勘定科目・仕訳の仕方
基本

会議に関連して飲食費や会場費等を支出した場合には、会議費勘定(費用)の借方に記帳して費用計上する。

支払方法別の処理

現金・預金で支払った場合

会議費を 現金 または 預金 で支払った場合は、会議費を借方、現金または預金を貸方に計上する。

役員・従業員が立て替えた場合

役員や従業員が会議費を立て替えた場合には、会議費を借方、未払金や役員借入金等を貸方に計上する。

その後、精算時に当該負債を減少させる処理を行う。

期末の処理

会議費は費用収益対応の原則から、発生した期間に費用計上する必要がある。

したがって、会議費について未払いとなっているものがある場合には、未払費用または未払金として計上する。

仮払金との関係

概算で現金を支給した場合には、一旦仮払金として処理し、後日、精算時に会議費へ振り替える。

会議費の管理
会計資料(証憑・証拠)

会議費は交際費との区別が問題になりやすい。

また、私的な飲食費との区別も問題となりやすい。

そのため、会議の実態を説明できる資料を保存しておくことが重要である。

具体的には、日時、場所、参加者、議題、支出内容が分かる、社内規定や会議議事録・打合せメモのような資料を残しておく。

たとえ、このような会計資料を用意できなくても、仕訳の摘要欄やレシートや領収書に、誰(会議の参加者)と何の打ち合せをしたかを記録しておく。

また、法人税上、一定の飲食費を交際費等から除外する取扱い(1万円以下飲食費の除外規定の適用)を受けるためには、飲食年月日、参加者、人数、金額、飲食店等の名称・所在地等を記載した書類を保存しておく必要がある。

この場合には、領収書等に加えて、会議・打合せの相手方や内容が分かる記録を残しておくことが重要である。

(社内規定)

会議費は交際費との区別が問題となりやすいため、社内で一定の基準を設け、継続的に同一の基準で処理することが重要である。

そのため、社内規程を設けて、1カ月あたりの会議の開催回数や1人あたりの支出額の上限などを定める。

たとえば、「月◯回、会議に要する費用として一人あたり◯千円を限度として…」等。

(会議に関する内部文書)

会議に関する内部文書の代表例として日程、議題、議事を記録した会議議事録(会議録・議事録)がある。

会議としての実態を示す資料と対応づけて管理することで、財務諸表の信頼性を確保することができる。

取引の具体例と仕訳

基本

取引

会社の会議室で取引先と打ち合わせをして茶菓子・弁当を購入した/喫茶店で商談の打ち合わせをしてコーヒー代を支払った等

仕訳

借方科目金額貸方科目金額
会議費 ✕✕✕✕ 現金 ✕✕✕✕

役員が立て替えた場合

取引

役員が会議費を立て替えた。

仕訳

借方科目
金額
貸方科目
金額
会議費 ✕✕✕✕ 役員借入金 ✕✕✕✕

取引

役員の立替分を後日、預金から精算した

仕訳

借方科目
金額
貸方科目
金額
役員借入金 ✕✕✕✕ 普通預金 ✕✕✕✕

仮払金から振替えた場合

取引

概算で会議費のために現金を支給したが、後日、精算した。

仕訳

借方科目
金額
貸方科目
金額
会議費 ✕✕✕✕ 仮払金 ✕✕✕✕

会議費の税法上の取り扱い

必要経費算入(所得税法)・損金算入(法人税法)の可否

所得税法上

会議費は、事業所得等の金額の計算上、事業の遂行に直接必要な費用である場合には、必要経費に算入される。

ただし、事業との関連性が認められない支出や、私的な飲食費に該当するものについては、必要経費には算入されない。

法人税法上

会議費は、事業遂行上通常必要な費用であれば、法人税法上損金算入される。

ただし、その実態が接待・懇親である場合には、交際費として取り扱われることがあるため注意を要する。

消費税の課税・非課税・免税・不課税(対象外)の区分

課税取引

会議費は、通常、飲食費や会場使用料等の役務提供の対価であるため、消費税の課税取引に該当する。

したがって、適格請求書(インボイス)の保存等の要件を満たす場合には、仕入税額控除の対象となる。

仕入税額控除の可否

会議費として処理される支出であっても、帳簿および適格請求書の保存がない場合には、仕入税額控除は認められない。

また、簡易課税制度を適用している場合には、実際の支払額にかかわらず、みなし仕入率により控除額を計算することとなる。

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