簿記・勘定科目一覧ハンドブック(ケーソルーション)

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未払給料(未払賃金)

未払給料とは

未払給料の定義・意味など

未払給料(みばらいきゅうりょう)とは、給料に係る未払費用を処理するための負債勘定をいう。

法人・個人の別

法人・個人

未払給料は法人・個人で使用される勘定科目である。

未払給料の目的・役割・意義など

発生主義
費用の見越

未払給料は、従業員から既に労務の提供を受けているにもかかわらず、支払が翌期となる部分について、費用収益対応の原則の観点からその対価を負債として認識するための勘定科目である。

すなわち、労務の提供という役務の消費が先行し、その対価の支払が後になるという時間的ズレを調整する(期間配分の調整をする)ことを目的としたものであり、単なる未払いではない。

未払給料の位置づけ・体系(上位概念等)

未払費用

未払給料は未払費用のひとつである。

未払給料は給与・賃金に限定しているのに対し、未払費用は給与以外も含む広い概念である。

ただし、給料は金額が大きく、毎月発生するものであり、かつ、社会保険・源泉徴収などとも連動するので、実務上は未払費用にまとめずに独立した勘定科目で管理するのが一般的である。

なお、未払費用には未払給料も含めて次のようなものがある。

  • 未払地代家賃(未払家賃・未払地代)
  • 未払保険料
  • 未払利息
  • 未払給料(未払賃金)
  • 未払水道光熱費
  • 未払賃借料
  • 未払リース料

通常、個別的に未払給料などの勘定科目で処理をするが、貸借対照表上の表示科目としてはこれらをまとめて未払費用として表示する。

しかし、個別的に処理をするのはあくまで内部的な管理のためにすぎない。

したがって、これらを貸借対照表にまとめあげることが面倒であれば、最初から未払費用勘定を用いて処理をしてもよい。

ただし、この場合は補助科目を使って未払地代家賃・未払保険料・未払利息などを区別して管理する。

未払金

未払金は物品購入など費用とは性質が異なるものである。

未払給料の決算等における位置づけ等

未払給料の財務諸表における区分表示と表示科目

貸借対照表 > 負債 > 流動負債 > 未払費用

区分表示
流動負債

未払給料は未払費用として1年基準(ワン・イヤー・ルール)の適用を受け、流動負債に属するものとして表示する。

企業会計原則注解
[注16] 流動資産又は流動負債と固定資産又は固定負債とを区別する基準について
…、未払費用…は、流動負債に属するものとする。

会社計算規則
(負債の部の区分)
第七十五条  …
 次の各号に掲げる負債は、当該各号に定めるものに属するものとする。
 次に掲げる負債 流動負債

 未払費用

表示科目
未払費用

前述したように、仕訳上の勘定科目(未払地代家賃・未払保険料・未払利息・未払給料など)をそのまま貸借対照表の表示科目として用いるのではなく、未払費用としてまとめて表示する。

これは第三者に報告するにはそのほうがわかりやすいからである。

このように仕訳上の勘定科目と貸借対照表上の表示科目とが異なるので注意を要する。

未払給料の会計・簿記上の取り扱い

会計処理

未払給料の会計処理は

  1. 決算(→費用を前倒しで認識)
  2. 翌期首(→決算時の仕訳をリセット)
  3. 翌期支払時(→通常処理)

の流れで考えるとわかりやすい。

期末(決算時)等
決算整理仕訳

費用の見越

前述したように、当期の費用として計上すべきであるが、次期以降にその支払を行うため当期の費用として計上されない場合、費用収益対応の原則から、当期に計上すべき費用を、次期以降に支払うことを見越して当期の費用に計上する会計処理(費用の見越)を行う。

具体的には、給料手当勘定(費用)の借方に記帳して当期の損益計算に計上するとともに、未払給料勘定(負債)の貸方に記帳して貸借対照表の負債の部に計上する。

企業会計原則
(3) 未払費用
…、このような役務に対する対価は、時間の経過に伴い既に当期の費用として発生しているものであるから、これを当期の損益計算に計上するとともに貸借対照表の負債の部に計上しなければならない。

翌期首
再振替仕訳

翌期首には、負債として見越された金額を費用から控除する会計処理(再振替仕訳)を行う。

すなわち、決算整理仕訳で行った仕訳の反対仕訳を行う。

具体的には、給料手当勘定(費用)の貸方に記帳するとともに、未払給料勘定(負債)の借方に記帳する。

翌期支払時

通常どおり給料手当として費用計上する。

取引の具体例と仕訳

期末(決算時)
決算整理仕訳

当期において従業員から既に労務の提供を受けているため、その対価である給料は当期の費用として認識する必要がある。

しかし、実際の支払は翌期となるため、未払部分については未払給料として負債に計上する。

取引

従業員に対する給料について、当期に対応する未払額が200,000円ある。

仕訳

借方科目
金額
貸方科目
金額
給料手当 200,000 未払給料 200,000

翌期首
再振替仕訳

前期に見越計上した費用をいったん取り消し、翌期に実際の支払処理と対応させるため、前期に計上した未払給料について、翌期首に再振替仕訳を行う。

仕訳

借方科目
金額
貸方科目
金額
未払給料 200,000 給料手当 200,000

翌期支払時

前期に計上した未払給料は再振替仕訳によりすでに処理されているため、通常どおり給料手当として費用計上する。

取引

翌期に給料200,000円を現金で支払った。

仕訳

借方科目
金額
貸方科目
金額
給料手当 200,000 現金 200,000

未払給料の税法上の取り扱い

消費税の課税・非課税・免税・不課税(対象外)の区分

不課税取引(課税対象外)

給料は、従業員に対する労務の対価であり、消費税法上の課税対象となる資産の譲渡等には該当しないため、不課税取引として消費税の課税対象外となる。

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