(ケーソルーション)簿記・勘定科目一覧ハンドブック

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寄付金(寄附金)

寄付金とは 【contribution

寄付金の定義・意味など

寄付金(きふきん)とは、法人が国・地方公共団体・公益法人等・政治団体・神社仏閣・祭礼など事業に直接関係のない者に対して行う寄付(事業との直接的な関連性がない寄付)を処理する費用勘定をいう。

寄附金とも表記する。

法人・個人の別

法人

寄付金は法人特有の勘定科目である。

個人が寄付金を支払ったときは事業上の経費とはならない。

したがって、個人の場合は寄付金勘定を用いることはない。つまり、仕訳などの会計処理は不要である。

ただし、所得税の確定申告の際に特定寄付金として寄附金控除(所得控除の一種)を受けるか、または特別税額控除を受けることができる(選択適用)。

なお、所得税以外にも、相続税にかかる寄付金、個人住民税にかかる寄付金についても税制上の優遇措置がとられている。

寄付金の分類・種類

個人の場合

税法上、個人の寄付は次の3つの種類に分類することができる。

  1. 特定寄附金
  2. 相続税にかかる寄付金
  3. 個人住民税にかかる寄付金

法人の場合

法人税法上、寄付金の損金算入には一定の制限が設けられているが、その限度額を算出するために、寄付金は次の4種類に区分されている。

1.国・地方公共団体に対する寄付金

2.指定寄附金

3.特定公益増進法人・認定NPO法人(認定特定非営利活動法人)に対する寄付金

4.一般の寄付金

政党等の政治団体や神社・仏閣(寺院)・教会等への寄付金、広告宣伝効果のない協賛金など。

政党等の政治団体への寄付金

会社は、政治資金規正法の規定により、政治活動に関する寄付が制限されており、政党(またはその政治資金団体)にしか寄付できない。

したがって、個人献金の場合とは異なり、政治家個人やその資金管理団体や後援会などの政治団体へ寄付することはいっさい禁止されている。

寄付金の範囲・具体例

寄付金の範囲
交際費

寄付金と交際費との区分が問題となる。

この点、税務は、個々の実態により判定すべきであるが、金銭でした贈与は原則として寄附金とするとしている。

租税特別措置法通達
(寄附金と交際費等との区分)
61の4(1)-2 事業に直接関係のない者に対して金銭、物品等の贈与をした場合において、それが寄附金であるか交際費等であるかは個々の実態により判定すべきであるが、金銭でした贈与は原則として寄附金とするものとし、次のようなものは交際費等に含まれないものとする。
(1) 社会事業団体、政治団体に対する拠金
(2) 神社の祭礼等の寄贈金

経済的利益

税法上は、貸金の放棄や著しく安い金額での資産の譲渡などの経済的利益を与えることも寄付金勘定に含まれる。

社長の個人的な寄付

社長が自分の出身校に個人的に寄付をしたような場合は寄付金勘定に含まれず、役員報酬で処理する。

参考:岩崎恵利子 『パッと引いて仕訳がわかる 逆引き勘定科目事典』 シーアンドアール研究所、2009年、152項。

寄付金の具体例
  • 共同募金(赤い羽根共同募金)
  • 義援金
  • 協賛金
  • 政治団体に対する拠金
    • 政治献金・政治資金パーティー券
    • 政治家の後援会の会費
  • 後援会への寄付金

義援金

法人が日本赤十字社・地方公共団体等に義援金を支払ったときは寄付金勘定で処理する。

協賛金

地域のイベントなど広告宣伝効果のない協賛金の場合は、寄付金勘定で処理する。

政治献金等

前述したように、税務上、「政治団体に対する拠金」=政治献金等は交際費に含まれないとされているので、寄付金勘定で処理する。

政治家の後援会の会費

政治家の後援会の会費については、会費という名目であっても支出する側に任意性があり、直接の対価性が認められないもの(たとえば、不特定多数の者に対して無償で配布される機関紙等を会員が受け取っている程度)は寄付金勘定で処理する。

ただし、任意性がなく債務の履行として支払う=会員たる地位にあるものが会を成り立たせるために負担すべきものであって寄付金と異なり対価性を有するのであれば諸会費勘定で処理をする。

No.1154 政治献金と寄附金|所得税|国税庁 https://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/1154_qa.htm

参考:Q&A - 日本税制研究所 http://www.zeiseiken.or.jp/faq/kouekihoujin/kouekihoujin_a006.html

寄付金の決算書における位置づけ等

寄付金の財務諸表における区分表示と表示科目

損益計算書 > 経常損益の部 > 営業損益の部 > 販売費及び一般管理費 > 寄付金

または

損益計算書 > 経常損益の部 > 営業外損益の部 > 営業外費用 > 寄付金

寄付金の会計・簿記・経理上の取り扱い

会計処理方法

使用する勘定科目・記帳の仕方等

事業に直接関係のない者に対して寄付をしたときは、寄付金勘定(費用)の借方に記帳して費用計上する。

取引の具体例と仕訳の仕方

共同募金(赤い羽根共同募金)

取引

共同募金に寄付をした。

仕訳

借方科目
金額
貸方科目
金額
寄付金 ✕✕✕✕ 現金 ✕✕✕✕

義援金

取引

日本赤十字社の口座に義援金を支払った。

仕訳

借方科目
金額
貸方科目
金額
寄付金 ✕✕✕✕ 普通預金 ✕✕✕✕

政治献金

取引

政治献金をした。

仕訳

借方科目
金額
貸方科目
金額
寄付金 ✕✕✕✕ 現金 ✕✕✕✕

寄付金の税務・税法・税制上の取り扱い

個人事業主(自営業)の場合

所得税にかかる寄付金
寄附金控除・特別税額控除

個人が寄付した場合は、所得税の確定申告の際に特定寄付金として寄附金控除(所得控除の一種)を受けるか、または特別税額控除を受けることができる(選択適用)。

相続税にかかる寄付金

相続により取得した財産の全部または一部を寄付した場合、寄付した相続財産の価格は、相続人の納めるべき相続税の課税価格に算入されない。

個人住民税にかかる寄付金
税額控除

会社・法人の場合

損金算入の可否(法人税法)
損金算入制限

寄付金は事業関連性に乏しいため、法人のする寄付金の損金算入については一定の制限が設けられている。

すなわち、国・地方公共団体に対する寄付金、指定寄付金、特定公益増進法人に対する寄付金、その他の寄付金の4つに区分したうえで、損金算入限度額を設けている。

  1. 国・地方公共団体に対する寄付金 → 全額損金算入できる
  2. 指定寄付金 → 全額損金算入できる
  3. 特定公益増進法人に対する寄付金 → 損金算入限度額あり
  4. 一般の寄付金 → 損金算入限度額あり

消費税の課税・非課税・免税・不課税(対象外)の区分

不課税取引(課税対象外)

原則として、対価性がない寄付は不課税取引として消費税の課税対象外である。

ただし、課税資産を負担付贈与した場合には、その負担金額については課税取引に該当し、仕入税額控除の対象となる。

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