(ケーソルーション)簿記・勘定科目一覧ハンドブック

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外注費(業務委託費・外注工賃)

外注費とは 【subcontract expenses】

外注費の定義・意味など

外注費(がいちゅうひ)とは、会社の業務の一部を外部の業者へ業務委託またはアウトソーシングした場合の費用、請負に出した場合の費用、コンサルタントを利用した場合の費用等を処理する費用勘定をいう。

参考:岩崎恵利子 『パッと引いて仕訳がわかる 逆引き勘定科目事典』 シーアンドアール研究所、2009年、148項。

法人・個人の別

法人・個人

外注費は法人・個人で使用される勘定科目である。

外注費の別名・別称・通称など

業務委託費・外注工賃

外注費は業務委託費または外注工賃ともいう。

なお、外注工賃という勘定科目を使用すれば、所得税青色申告決算書に記載されている勘定科目名となる。

外注費の目的・役割・意義など

節税対策・節税方法としての外注費

最近は、社員として雇い入れて給料を支払うのではなく、業務委託契約または請負契約等のかたちにして外注扱いにする場合も増えてきている。

外注扱いにしたほうが雇い主にとってさまざまなメリットがあるからである。

そのメリットとしては次のようなものがある。

  1. 社会保険料の負担軽減
  2. 消費税法上、外注費は課税取引に該当し、仕入税額控除の対象となる。したがって、消費税相当額を節税できること。
    なお、これに対して、給与は、原則として不課税取引として、仕入税額控除の対象とはならない。
  3. 人を雇い入れると固定経費となるが、外注に出すことで、経費を流動経費にできること(固定費の変動費化)
  4. 所得税法上の所得類型は給与所得から事業所得となるために源泉徴収義務が発生しないこと

外注費の範囲・具体例

外注費の範囲
外注費の区別基準(外注費と給料手当との違い)

上述したように外注費は給料手当(給与手当・給料・給与)に比べてさまざまなメリットがある。

そのため、税務調査でも支払った費用が外注費なのか給料手当なのかがよく論点となる。

そこで、外注費と給料手当との区別基準が問題となる。

この点、消費税基本通達では、支払いを受けた役務の提供の対価が業務委託契約や請負契約にもとづくのか、雇用契約にもとづくのかで判断するものとしている。

そして、その区分が明らかでない場合は、次の4つの事項を総合勘案して判定するものとしている。

  1. その契約に係る役務の提供の内容が他人の代替を容れるかどうか
  2. 役務の提供にあたり事業者の指揮監督を受けるかどうか
  3. まだ引渡しを了しない完成品が不可抗力のため滅失した場合等においても、当該個人が権利として既に提供した役務に係る報酬の請求をなすことができるかどうか
  4. 役務の提供に係る材料または用具等を供与されているかどうか

第1節 個人事業者の納税義務|消費税法基本通達|国税庁 http://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/tsutatsu/kihon/shohi/01/01.htm

外注費の具体例
  • アウトソーシングまたは業務委託した費用
  • 人材派遣会社などへの支払い
  • 清掃業者に清掃を依頼した場合の費用
  • 会社内の事務計算を計算センターに委託した場合の費用
  • テレビ制作会社などでカメラマンやレポーターを外部に委託した場合の費用
  • 下請費(下請工賃)・加工費(加工賃)
  • 警備費用(警備料金)
  • 10万円未満のソフトウェアの開発を依頼した場合の費用(プログラマーに支払う報酬)

人材派遣費・人材派遣料

人材派遣会社に支払う費用も外注費勘定で処理をしてよい。

ただし、派遣されてきた人材に直接報酬を支払うのであれば給与扱いとなる。

なお、人材派遣費人材派遣料という勘定科目を新しく設定すると、人材派遣にかかる費用を別途管理できる。

下請費(下請工賃)・加工費(加工賃)

岩崎恵利子著『パッと引いて仕訳がわかる 逆引き勘定科目事典』では、下請費(下請工賃)・加工費(加工賃)についても外注費で処理できる旨の記載がある。

また、外注費で処理するほか、外注加工費という勘定科目を使用してもかまわない、とある。

参考:岩崎恵利子 『パッと引いて仕訳がわかる 逆引き勘定科目事典』 シーアンドアール研究所、2009年、148項。

ただし、製造業や建設業などで、製造工程や工事の一部を他の会社に委託する場合は、外注加工費勘定を用いて製造原価や建設原価に計上する。

参考:駒井伸俊 『世界一使いやすい!勘定科目と仕訳の事典』 秀和システム、2007年、188項。

他の勘定科目との関係

支払手数料

外部の専門家に支払う報酬は支払手数料勘定で処理することもできる。

なお、外注費の支払先が個人事業主(一定の専門家)である場合、源泉徴収義務がある場合があるので注意を要する(所得税法204条)。

外注費の決算書における位置づけ等

外注費の財務諸表における区分表示と表示科目

損益計算書 > 経常損益の部 > 営業損益の部 > 販売費及び一般管理費 > 外注費

所得税の青色申告決算書(損益計算書)記載の勘定科目の当否

外注費は所得税の青色申告決算書(損益計算書)記載の勘定科目名ではない。

なお、外注工賃では所得税青色申告決算書に記載されている勘定科目名となる。

外注費の会計・簿記・経理上の取り扱い

会計処理方法

使用する勘定科目・記帳の仕方等

外注費にかかる費用を支払ったときは外注費勘定の借方に記帳して費用計上する。

管理
会計資料(証憑・証拠)

外注者からの請求書や領収書、振り込んだ通帳のコピーなど。

取引の具体例と仕訳の仕方

取引

外部の業者に事務を委託し、その費用を銀行振込みで支払った。

仕訳

借方科目金額貸方科目金額
外注費 ✕✕✕✕ 普通預金 ✕✕✕✕

外注費の税務・税法・税制上の取り扱い

所得税の源泉徴収

源泉徴収の要否
原則

外注費については原則として源泉徴収義務はない。

例外

外注費の支払先が個人事業主(一定の専門家)である場合、所得税を源泉徴収する必要がある場合がある(所得税法204条)。

消費税の課税・非課税・免税・不課税(対象外)の区分

原則
課税取引

消費税法上、外注費は課税取引に該当し、仕入税額控除の対象となる。

例外
不課税取引

雇用契約を締結していなくても他の社員と同じように扱われ、実質的には給与と認められる場合には、不課税取引に該当する。

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